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頭が良い人と、頭が良さそうに振る舞っている人を見分ける良い方法はないでしょうか?

中部大学の武田邦彦先生がこんなことを言っておられました。

「自分は大学の卒研生も大学院生も指導して来て、彼らの研究発表会に数多く参加してきて、ある変わった事実に気が付いたのです。卒研生の発表でその発表の中に誤解が含まれているような時にそれを指摘してあげると、卒研生は正直に自分の至らなさを認めて、先生からの指摘に感謝するのが普通なのです。ところがその後大学院で訓練を受け、例えば修士課程の発表会で同じような指摘をすると、そのことに関して言い繕う学生の数がグンと増えているのです。この人たちはどうやら大学院で自分の研究を進めてきたと言うよりも、この二年間で、相手をどう誤魔化すかの訓練を受けてきてしまったように思えたのです」

これはある意味当たっています。圧倒的に多くの場合、その道で長年やってきて生き残ってきた先生方は、その分野に関してその人が自分で何を言っているのか解りながら話しているのか、それとも自分でも何を言っているのか解らずに話しているのかは一発で見抜けてしまいます。要するに、解っている人と、解っていないのに解っているように振る舞っている人の違いはすぐに判ってしまうのです。

ですから、学生などが学会で発表の心得として、質問が来た場合などに、

「もし解らないのなら『解りません』とはっきり言いなさい。その返事で悪い印象を持つ先生はいませんよ。しかし、解ってもいないのにその場を言い繕うよなことを言ってはいけません。そのことは相手にすぐ見抜かれてしまい、あなたの性格に対して大変悪い印象を持ってしまうからです」

と指導しています。