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グラフが論理的思考力を高める

グラフの作成によって批判的思考力を高めるためには適切な指導が必要だと言われており、そのような指導をする教員の負担などが学校教育にグラフを導入する上での大きな課題でした。特に日本では教員が忙しすぎるため負担を増やすわけにいきません。学習指導要領に沿った通常の授業において、教員に余分な負担をかけずにグラフを導入する必要があります。そこで共同研究チームは、最近の学校教育でグループディスカッション(協調学習)が盛んに行われていることに着目し、二つの高校での実験によって下記の仮説[H]の検証を試みました。

仮説[H]:通常の授業においてグループディスカッションの内容を表すグラフを生徒が共同作成することは教員の負担を増やすことなく可能であり、それによって生徒の批判的思考力が向上する。

テキストよりもグラフの方が文書処理の効率が高く、グラフを作成すると批判的思考力が高まるという先行研究の成果は、大学生以上の大人に関する知見であり、高校生でも同じことが成立するかどうかは不明でした。しかし、実験によって仮説[H]が証明されれば、高校生でもグラフの作成が批判的思考力を高めることが明らかになります。また、高校生にとってもテキストよりグラフの方が作りやすいことが証明はされないものの、示唆されることになります。

マインドマップとかKJ法的なイメージだろうか