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陰キャラに最適な哲学を紹介します。

要約:

■ 1. エミール・シオランのペシミズム(悲観主義)

  • ペシミズムの定義: この世は苦しみであるという見方である。
  • 幸せの捉え方: マイナス(苦痛)がゼロになる瞬間を幸せと捉える。プラス(今以上の何か)を目指すのではなく、元々ある苦痛の消失を重視する。
  • 思考の傾向: 物事を冷静に分析すると悲観主義に近づく。
  • 実生活への応用: 理想や夢を追うのではなく、不幸や最悪な状況を回避するという現実的なアプローチを取るべきである。
  • 確実性の追求: 雲を掴むようなプラスを追わず、確実なマイナス(苦痛)を取り除き、最小限のマイナスで生きることを目指す。

■ 2. 怠惰・無気力は善であるという主張

  • 世の中の価値観: 現代社会はエネルギーが高いこと(行動、やる気)を善として賞賛する。
  • エネルギーの危険性: エネルギーは良い行いだけでなく、悪い行い(犯罪)も引き起こす可能性がある。
  • 怠惰の定義: 何もやる気が起きない、行動しない状態は、犯罪などの悪も起こさないため、極端に言えば無意識の善を体現している。
  • 行動の裏側: 積極的に善を行おうとする人もエネルギーが高い故に、そのエネルギーが悪に転じる可能性を常に持っている。
  • 真の善: 無気力、無関心、何もしない中立の状態こそが、悪を生まない真の善であると主張する。

■ 3. 「死」の活用方法

  • 死の捉え方: 死はネガティブな終わりではなく、人生を輝かせる最高の発明品である。
  • 生への影響: 死という終わりがあるからこそ、人は今残された生を活かそうと努力し、生き生きとさせることができる。
  • 自殺の捉え方: 自殺は苦しいことからの解放の手段であり、喜びでもある。いつでも死ねるという覚悟が、今の苦しみに耐える力になる。
  • 生きる行為: 生きていることは自殺の遅延であるとシオランは表現する。
  • 死に対する印象: 苦しい人生を送る者にとって死は勝利であり、成功している者にとって死は楽しい人生を奪う敗北である。

■ 4. 自由になるための無関心

  • 究極の生き方: 生きている間の苦しみから自由になるためには、無関心になるしかない。
  • 仏教との類似: 仏教の解脱(げだつ)や悟りに近い状態である。
  • 苦しみの根源: 人間が苦しいのは、欲や執着(こうしたい、成功したい)を持っているからである。
  • 執着の否定: 命はやがて尽きて無に戻るのだから、あらゆるものに執着しても意味がない。
  • 自由の獲得: 興味や執着をすべて手放し、無関心な状態になることによって、人は初めて自由になれる。