■ 1. 問題人格者が存在する理由
- 企業内での生息: どの企業にも必ず何名かは人格に問題のあるビジネスパーソンが存在している
- 存在を許される理由:
- 経営陣である
- カネを稼げる
- 上には従順である
- 解雇規制の観点から追い出せない
- 周囲への弊害: 他の社員はいい迷惑をしており、そういう連中と共存するにはどうしたらよいのかという悩みを日々抱えながら働くことになる
- プロジェクトへの影響: 問題人格者が一人入ってくるだけで会議を妨害されたり、スケジュールに遅れが生じたり、他のメンバーの作業に支障が出る
■ 2. 問題人格者の典型例
- 知識をひけらかすタイプ: マーケティングプロジェクトで役員が突如「3Cは知ってるよな?」とクイズを始め、社員を貶めることで自分の知識をひけらかす
- 独演会の開始: 「コトラーの本は当然読んでるよな?」などと聞き出し、誰も読んでいないことを確認して独演会を始める
- 人を馬鹿にする行動: 息を吸うように人を馬鹿にする人間が一定数存在する
- 士気への影響: メンバーの士気に重大な影響を与え、時にはそれが原因でプロジェクトが動かなくなる
■ 3. 基本的な対処方針
- 根本的排除の困難性: 多くのケースでコンサルタントの権限では彼らを根本的に排除することはできない
- 与えられたメンバーでの遂行: 経営者に訴えるケースもあるが、通常は与えられたメンバーでプロジェクトを遂行せねばならない
- 次善策としての封じこめ: 人格に問題がある人間の悪影響をできるだけ小さくし、時には隔離する手段を取る
- 重要なノウハウ: そういう人間をどう扱うのかは、プロジェクト遂行における重要なノウハウの一つである
■ 4. タイプ別の具体的対処法
- 人を貶めるタイプへの対処:
- 極力、皆の前で発言させない
- 当てない、振らない、独演会が始まる前に話を切る
- 事前に「この程度の会議であれば出席していただく必要はないと思います」とVIP待遇に見せかけた個別隔離対応を行う
- 承認欲求が強いタイプへの対処:
- 目立つことを好み、人が話している途中でも話を取ってしまう
- 会議の冒頭に10分程度「その人だけが話せる時間」をあらかじめ設定する
- ひとしきり話したいことを話した後は帰ってしまうことが多く、他の人の話には興味がない
- パワハラタイプへの対処:
- 「目標必達って言っただろ」「甘く考えているんじゃねえよ」などとすぐに詰めてくる
- 詰められる対象となる人に対して、先んじてこちらが「目標の達成状況についてお話を聞かせてください」と代弁する
- あくまで冷静に気をつかいながら対応し、後で個別にパワハラタイプの愚痴を聞いて発散させる
■ 5. その他のタイプへの対処法
- 斜に構えるタイプへの対処:
- 冷笑的で人の意見にすぐにケチをつけ、チャレンジする人間を妨害する
- 新しいことには前例がないとケチをつけ、採用に力を入れようとすると「どうせうちにはろくな人が入ってこない」と言う
- 最初に意見を言わせると弱く、先に意見を言わせてそれをみんなで議論する形にすると、そのうち会議に出席しなくなる
- モラルの低いタイプへの対処:
- セクハラまがいの発言や武勇伝を誇らしげに語り、「昔は、これぐらいは当然やってたよな!」などと発言する
- オフィシャルな場でルールや説教を持ち出すと拒否反応を示す
- プライベートで夜一緒に飲みに行ったり趣味を等しくして遊びに行くと反応が変わる
- 信頼を得てしまえば他の問題児の抑制に一役買ってくれることもある
■ 6. 対処法の限界と活用
- 教育の題材: 問題児への対処法はロールプレイや勉強会などにおける題材となっていた
- マニュアルの限界: マニュアル通りにやればなんとかなるというほど人間は簡単ではないので過信してはいけない
- タイプ見極めの重要性: どのタイプなのかという見極めは初期対応に役立つことは間違いない