■ 1. 炎上事件の発端
- 有名芸能人の炎上: 最近有名な芸能人がネットで炎上している
- いじめ被害者をやゆ: いじめられっ子をやゆするような発言をした
- 令和に思い切った行動: 令和の時代にそんな思い切った行動をした
- 様々な批判: いじめの被害者を馬鹿にするような姿勢は過去に加害者だったからこその発想だろう、芸能人という立場を過大に評価しているから他者を下に見る、根は日本人じゃないからそういうおかしな感覚になるなど、いろんな方面から非難されている
■ 2. 決めつけへの違和感
- 批判は当然: いじめの被害者をやゆする姿勢が非難されるのは当然だとは思う
- 決めつけの問題: だからって過去にいじめの加害者だったに違いないみたいに決めつけるのもそれはそれで違う気がする
- 人間の習性: 人間は分かりやすい過ちをかました奴にもっと分かりやすいレッテルを貼るのが死ぬほど得意な生き物だから今更気にするようなことじゃない
- モヤモヤする感覚: それはそうかもしれないけどなんだかモヤモヤする
■ 3. いじめ加害者は悪くない?
- 意外な事実: 実は「過去にいじめの加害者だった」ということそのものはそんなに悪いものではない
- 悪いイメージ: いじめっこなんて本来は恥じるべきこと、悪いイメージのあるものの1つである
- イメージと事実の乖離: それはあくまでイメージだけで、事実ベースで考えればいじめの加害者という立場は優れた社会人の称号ともなり得るということが近年分かってきている
- いじめっこの方が優秀: その表現をすることも可能である
- さらなるモヤモヤ: そんなのにわかには信じられないというか、事実だとするともっとモヤモヤしそうな話である
■ 4. いじめの機能的側面
- 構造面からの考察: いじめとはどのような機能を持っているのか構造面から考えていく
- 性格と能力: いじめをする人間とはどういう人間か、性格と能力両方から見ていく
- 道徳は置いていく: 道徳は置いていく
- 見てみぬふり: 見てみぬふりで済ませるのも違う
■ 5. イギリスでの縦断研究
- 研究の概要: イギリス人を対象に行われた縦断研究である
- 研究内容: 出生時点での子供たちの性質を調査しておいて、その者たちが成人した後労働市場でどのように振る舞っているのか調べる
- 影響の調査: 子供の頃の性格や能力が成人後の就業や所得にどのように影響を与えているかを調べる
- サンプル数: 大体7000人ほどで、めちゃくちゃ大規模である
■ 6. 調査された4つの要素
- 10歳時点の調査: 10歳時点の者たちにおいて測られている要素は大きく分けて4つである
- 注意問題: 集中力や課題をこなす能力があるかどうか
- 情緒問題: ストレスや不安に対応できるかどうか
- 関係問題: 学校を中心とする集団に溶け込めるかどうか
- 攻撃問題: 教室内でいじめやルール違反をするかどうか
■ 7. 注意問題と関係問題の結果
- 所得との相関: 注意問題と関係問題の数値と成人後の所得には相関が見られた
- 言い換え: 10歳時点において集中力や課題を解決する能力や教室内の仲間と円滑にコミュニケーションできる能力に問題が見られなかった子供ほど所得が高い大人になった
- ビジネスへの反映: 10歳の時に見られた注意問題や関係問題がそのままビジネスの現場にも問題として当てはまり、最終的に所得へと反映された
- 能力の延長: 課題をこなす能力は仕事を遂行する能力へ、友達と仲良く過ごす能力は分業と協業を円滑にこなす能力へそれぞれ延長していた
- 直感に即している: なんだかんだ直感に即している
■ 8. 情緒問題の意外な結果
- ほとんど関係なし: 情緒問題のスコアと所得にはほとんど関係が見られなかった
- 意外な結果: 10歳時点で緊張しやすかったり不安になりやすかったりしたとしても成人後それがマイナスになるわけではない
- 量と質への影響: より厳密には情緒問題は労働市場のデータにおいて量に対して負の効果、質に対して正の効果とそれぞれ影響を与えていて双方が効果を緩和し合った結果こうなった
■ 9. 情緒問題と労働時間
- 負の相関: 10歳時点での情緒問題は労働時間と負の相関を示している
- 長時間労働の困難: 緊張しやすかったり不安を感じやすかったりした子供ほどあまりたくさん働かない大人になった
- メンタルの問題: メンタルの弱い奴は長時間労働できないと考えると分かりやすい
- 矛盾の指摘: それなら情緒問題と所得には負の相関が見えているはずである
■ 10. 情緒問題と時間単価
- 単価の高さ: 情緒問題のスコアが高かった人間ほど時間あたりの所得が高いという傾向も見られている
- 相殺効果: 量としては少ないのだけど質としては高いから互いに効果を緩和し合って結果最終的な所得においては良い影響も悪い影響も見られていない
- 学歴との関係: 10歳時点での情緒問題スコアが高かった子供たちほど学歴も高くなりやすかった
- 正の相関: 情緒問題と学歴には正の相関だった
■ 11. 不安と準備の関係
- 別の側面: 不安を感じやすいという性質はメンタルが弱いと表現することもできるけど別の側面では準備を入念にするという振る舞いにつながる
- 高学歴への有利: それが高学歴の獲得に有利に作用した
- 心の弱さの機能: 人間の心の弱さの多くは必ずしも生存にとって不利になるとは限らない
■ 12. 攻撃問題と経済的成功
- 正の相関: 攻撃問題は明確に就業や所得と正の相関が見られた
- いじめっこが優秀: いじめっこほど優れたビジネスマンになったということ
- 学歴と無関係: これは学歴とも無関係に見られた傾向で、いじめっこ体質の者が良い仕事について高い収入を得る大人になった
- 最も大きな影響: 調べられた4要素のうち最も大きな影響が観測されたのがこの攻撃問題なので、労働市場の観点からするといじめ加害者ほど社会的に成功しやすいというのはかなり強固な傾向であると言える
■ 13. 攻撃問題が成功につながる理由
- 支配的性質: いじめっこってのは支配的とも言えるからそれがビジネスの現場ではリーダーシップにつながって結果として収入を上げたのかもしれない
- 競争社会での有利: 攻撃問題が多いということは攻撃的で競争的で自己主張が強いということにもなるため、競争の激しいビジネス社会において結果につながりやすかったのではないかとされている
- 管理職や営業: 管理職はもちろん営業面とかでも有利になりそうである
■ 14. ルール違反と成功のギャップ
- ルール違反の要素: この攻撃問題にはクラスメイトなんかの同世代への攻撃性だけでなくてルールを守らない、教師に反抗的だといった要素も含まれる
- 評価のギャップ: そこでの評価と現実社会での評価のギャップもある
- いい子より悪い子: いわゆる教室内や大人目線でのいい子より悪い子の方が経済的には成功しやすい
- ルール無視の成功: 環境とか法律とかそういうのを無視している国や企業の方が結局のところ稼いでいるって話は時々話題になる
■ 15. 利己的個体の成功
- 利己的な生き方: 他人を蹴落とそうとして自分より弱い立場の人間を虐げて周囲に迷惑をかけながら好き勝手に生きる
- 社会的成功: そういったいわゆる利己的な個体の方が社会的には成功しやすいという話になる
- 正直者は馬鹿を見る: なんだかんだ言ってやっぱり正直者は馬鹿を見るというか、いい人でない方が生存に有利だってのが現実である
■ 16. 社会性動物としての必要性
- 個別的事情以外: 個別的事情の他にいじめっこ的な性質を持つことはそもそも社会性動物において必要な部分もあるのではないかといった可能性も示唆されている
- 社会性の構成: 社会性を構成するものの中にいじめっこ的な性質が存在するということ
■ 17. いじめの構造的理解
- 現象としてのいじめ: いじめというものを現象として考えると分かりやすい
- 2つの立場: いじめのある状態とはその集団内において弱者や少数派といった立場とそうではない立場の2つに分けられている状態だということができる
- 微妙な違い: 加害者・被害者という当事者だけでなく集団全体として「いじめられている弱い立場」と「いじめられていない弱くない立場」といったニュアンスになる
- 強い弱いではない: 強い・弱いじゃなくて弱い・弱くないって軸である
■ 18. 境界線の機能
- 多数派と少数派: このような境界線の存在は集団内全体を多数派と少数派に分かりやすく分断する
- 立場の認識: 直接いじめに関わっていなくてもクラスのいじめられっこと自分は少し違う立場の存在であると感じる
- 見て見ぬふりの共犯: 教室内でのいじめについて見て見ぬふりをする人間も共犯であるといった主張がなされることは少なくない
- 人間の認識: こういったものが感覚的に発生するのはまさに人間がそのような認識をしているがゆえと考えられる
- 少なくとも2つの立場: 少なくとも得意の立場とそれ以外の立場として人間に認識されるのは間違いない
■ 19. 多数派への環境調整
- 能動的な調整: 能動的にいじめをしている人間は自分を能動的に多数派に置くように環境を調整しているとみなすことができる
- 社会的有利: 個体間での関係だけでなく集団内全体の話として社会的に有利な立場に見につけることができている
- 高度な社会性: いじめの当事者だけでなくそれに付随する連中や、もっと言うと見て見ぬふりをする大多数の人間も含めて多数派に自分を置く、高度な社会性に由来する振る舞いだと言える
- 社会への適用: 弱い立場に自分を置かないということが社会に適用することになる
■ 20. 16歳時点での追跡調査
- 社会性の確認: 10歳児と成人の間にあたる16歳時点での者たちの社会性をも調査している
- 攻撃問題と社交性: 攻撃問題が高かった子供たちほど友達が多く社交的で、また学校や社会の行事なんかに参加しやすくなるといった傾向が示されている
- 2つのメカニズム: 攻撃問題を起こす人間が社会に所属するのに有利になったという純粋なメカニズムだけでなくて、社会に所属するのに有利な人間にはそもそも攻撃問題的な性質が付随する
■ 21. 社会性の本質
- みんなで仲良く: 社会性を簡単に説明するならうまいことみんなで仲良くやっていく力といった感じになる
- 境界線を引く能力: そのためにみんなではない奴に対して境界線を引く能力もやはり社会性の一部であった
- 都合のいい境界線: 人間は自分が有利になるように都合のいい境界線を引きながら生きている
■ 22. まとめ - いじめっこになるべき?
- 結論: 将来社会的に成功したいのであれば10歳のうちに大いじめキッズになっておこうという話でまとまってしまう
- 道徳的に良くない: 道徳的に良くない結論である
- 真の注目点: 注目したいのはそんな話ではなくて、社会性の側面で有利となっている性質とはまさにその社会性に由来するリスクを追っているという部分である
■ 23. 社会性由来のリスク - 脱落率
- データの脱落: 成人の労働のデータにおいて攻撃問題が大きな者ほどその後のデータにおいて脱落率が高くなった
- 社会からの脱落: 攻撃問題が過剰すぎて社会から脱落した結果としてデータに残っていないと考えることもできる
- 労働市場への不参加: 逮捕や不採用などの影響でそもそも労働市場に参加できていないという可能性がある
- 16歳時点の確認: 16歳時点での調査でも出生時での攻撃問題が大きな子供たちほど高い社会性が確認された一方で逮捕率が高くなるということも分かっている
- 偶然ではない: 成人後の労働市場のデータの脱落の多さも偶然じゃない可能性が高くなりそうである
■ 24. フィンランドの研究
- 同様の傾向: フィンランドでも同様の傾向が観測されている
- 6000人の調査: 大体6000人を対象に8歳の頃のいじめ加害頻度と成人後の暴力犯罪の関係を調査した
- 暴力犯罪との相関: いじめ頻度が高い者ほど重大な暴力犯罪で逮捕される確率が高くなっていた
- 社会からの排除: 子供の頃の大きな攻撃問題が社会から排除される結果を招いた
■ 25. 頻度による違い
- 一定以上の頻度: 逮捕される確率が上がったのはいじめ加害キッズ全体というわけではなくてあくまでも一定以上の頻度で加害者となっていた者に限られた
- たまにいじめ: いじめ常習犯は成人後逮捕されやすくなったけど、たまにいじめに加担するような子供たちは別に社会から脱落したりしない
- 程度の問題: いじめ加害者であればあるほど社会で成功しやすいというよりも、社会的に問題にならない程度に加害者側に立つ人間ほど将来成功する大人になるという話となってくる
- 要領の良さ: 要は要領よくいいじめをこなす子供がなんだかんだうまくやる大人になるそういう可能性が示唆されている
■ 26. 表と裏の関係
- 同じ性質: これは攻撃問題的性質が社会性の一部であるという話と矛盾しないというか、むしろ互いに補強し合うものとなる
- 起きている現象: 得意の立場と自分の立場を切り分けて自分を有利なところに置こうとする、起きている現象は同じである
- 成功と排除: 上手にやった奴は労働市場でも成功して失敗した奴は社会から排除される
- 境界線の引き方: 感情論は全悪だと判断してそこに境界線を引きたがるけど、おそらくは同じ性質の表と裏と解釈するのが妥当である
■ 27. いじめられる方にも問題がある論
- 納得できる構造: いじめられる方にも問題があるみたいな意見が出たりもするけど、こうして構造の面から考えるとなんというか納得できてしまう
- 人間の性質: 自分にとって都合のいい境界線を引くために前者を劣化させようとする、良い悪いじゃなくて人間はそういう生き物である
- 正当化の仕組み: 弱いものいじめはダメだけど俺がやったのは迷惑な奴を追い出しただけだから弱いものいじめとは違う、意識的でも無意識的でもそういうことができた方が社会に所属するのに有利である
■ 28. 炎上芸能人の構造的理解
- 同じ構造: 今回の話の発端となったいじめられっこ野次して炎上かましてる芸能人だって相手を不利な立場に置くことで自分を有利にしようとして失敗して一部の集団から槍玉にあげられている、そう見なすことができる
- 失敗の結果: うまくやるのに失敗した結果、自分を不利な立場に置いてしまった
- 呼び方の問題: これをいじめと呼ぶか自業自得とするか名前はともかく、得意の立場になってそうでない立場から切り離されているという構造は教室の中でのそれとほとんど同じである
■ 29. 心の長さとの類似
- 高度な社会性: 教室でのいじめとは自分をより優位な立場に置こうとする高度な社会性に由来するとみなすことができる
- 心の長さとの類似: この視点で考えるとこの性質は以前話した心の長さと似たような分布を労働市場内で、もっと言うと集団の内部で取っていることが分かる
- 心の長さの説明: 心の長さは人類全体の高度な認知機能の基盤の1つとなっている一方で自閉症や統合失調症みたいな遺伝子由来の遺伝的に不利なものとして振る舞える性質の話である
- 正規分布の両端: 正規分布におけるおっこちる性質というやつである
■ 30. おっこちる分布
- 同じ形: 労働市場において攻撃問題が高いほど所得が大きくなる一方で一定のラインを超えると労働市場からおっこちる、まさに心の長さ的分布になっている
- 炎上と叩き: 芸能人がたった1つの発言で炎上したり、家電に走りすぎた企業がきっかけ1つで社会的に叩かれたり、もっと言うとかつては道徳的だとされていた振る舞いが一世代違うだけで不道徳的であるとやり玉に上げられたりする
- 絶対的ラインの不在: 絶対的なラインが存在するというよりは集団によっていくらでも変遷する確率的なものだと考えられる
- 崖の上の集合: みんなが崖の上に集合しているから確率的におっこちる個体が出現する、純粋な性能差ではなくなる
■ 31. おっこちるべき個体
- 無理なく合致: この理屈ならおっこちることのなかった攻撃問題個体の中に人間の感覚的におっこちるべきものが存在することとも無理なく合致する
- 運の要素: 上手に逃げ切れたとかうまいこと問題にならなかったとか時代や文化に助けられただけとかそういう事例である
- 犯罪との定義: いじめと呼ぶのではなく犯罪と呼ぶべきだみたいな意見が出たりもするけど、この視点で考えるとそれだけでは本質的な対策とならないことが分かる
- 問題のつきまとい: 犯罪と定義されなかったものはおっこちない、その問題は常につきまとう
■ 32. 観測される結果
- 結果でしかない: 人間の目に観測されているものは最終的に表された結果でしかない
- 都合の良い特効薬の不在: 攻撃問題を発生させる要素となる性質の中に社会性動物特有の優れた性質とは異なる何か、人間にとって分かりやすくて攻撃しやすい叩いて石をぶつけて潰りかませば全ての問題が解決するような都合の良い特効薬がいる可能性がないわけではない
- それを排除すれば: ひとまずそれを排除すれば、弱者を虐げて自分を有利な立場に置こうとする振る舞い、自分を不利な立場に置かないようにする振る舞い、むしろそれを逆転させて不適切な個体として排除する集団の振る舞い、どれもこれも人間の社会性に由来するものだということになる
■ 33. 社会性の本質 - 敵を選ぶ技術
- 敵を作らない技術ではない: 社会性とは敵を作らない技術ではなくて必要な敵を選ぶ技術である
- 様々な規模感: 人間はこれを様々な規模感で発揮させているだけである
- 合理的な振る舞い: それが良いか悪いかはさておき合理的な反応、つまり賢明な振る舞いの1つである
- 正の相関: 少なくとも攻撃問題と社会的成功には正の相関があるということで、これを賢明な振る舞いたらしめているわけである
- 教室だけの話ではない: 教室の中だけの話ではなくて人間という集団の話である
■ 34. 道徳の限界
- いじめは良くない: 周囲の大人たちやマンガや物語が説くようないじめは良くないといった価値観だけは現実ではあまり効果を持たないことにも納得できる
- 理解できるが: 社会通念上いじめは悪いことであるということは多くの人間は理解できる
- より重要なこと: ただそれよりも集団である生物として自分を多数派に置くことが意識的にも無意識的にも重要だからその総和の結果がこのようなものとなった
- 弱者を垂らしめる: 人を弱者垂らしめることはダメだけど、ダメだと定義されない限りはむしろ生存に有利になるから相手をダメだと定義することで自分の立場を正当化することだってある
- 不思議なバランス: 人間って本当不思議なバランスの生き物である
■ 35. モヤモヤする結論
- モヤモヤする話: やっぱりモヤモヤする話である
- 純粋な悪ではない: いじめってのは純粋な子供としての悪というよりそれぞれの子が集団の中で上手に立ち回ろうとした結果出現してしまうものだから人間が集団でいる以上解決が困難である
- お茶を濁す方法: いじめというものの定義を動かすことでお茶を濁すみたいな方法はいくらでもあるだろうけど、人間は賢く合理性のある特別な存在だからそのような素晴らしさに頼ろうという考えだけでは本質的解決はできない
- 定義からの排除: 結局はその定義から外れた愚かで感情的で見ぼらしい奴であると判断する巡りになるだけである
■ 36. ずんだシステムの提案
- 最善の解決策: まさに心の長さ的落下事故をかましてどうしようもなくなっているお前ら人類に僕から最善の解決策・ずんだシステムを提案する
- 画期的: ずんだシステムは画期的である
- 人間参加: このシステムのコンセプトとは人間参加、これまでの道徳を反転させるものである
■ 37. 道徳の反転
- 従来の道徳: 従来の道徳では攻撃問題のない状態をフラットと捉えて攻撃問題を悪として扱うことでその出現を抑制しようという方針を取っていた
- いじめは悪いことだからやめよう: そういう方向性である
- システムの変更: ずんだシステムはその根本を変えるもので攻撃問題をフラットなものと扱う
- 加点方式: いじめをしていない状態を当たり前ではなくマジですげえことと解釈して社会的に報酬を提供するというものである
- 原点ではなく加点: 原点ではなくて加点にするということ、面白い発想である
■ 38. ずんだシステムの仕組み
- 社会的報酬: ここにおける社会的報酬とは手っ取り早く既存の貨幣を使い回してもいいし、何か社会的な信用の指標を新たに作って数値化するとかでもいい
- 分布の変化: そのシステムを集団で共有すればおっこちる分布ではなくて純粋に攻撃問題が小さな個体ほど得をするという分布になるはずだから社会に適用することがそのまま攻撃問題の縮小につながる
- ずんだを与える: 悪い奴を見つけ出して石を投げつけるのではなくいい奴にずんだを与える、これがずんだシステムである
- 利己的個体にも有効: これならいわゆる利己的な個体でもむしろだからこそ攻撃問題を減らす方へ向かうことが期待される
- 豊かな社会: これで僕や四つ葉のような全人類にとって豊かな社会を作れるはずである
■ 39. ずんだシステムの矛盾
- ずんだもんはもらえない: 仮にこのずんだシステムが社会に実装されたとしてもずんだもん先輩はずんだをもらえないのではないか
- 攻撃問題の塊: 弱いものいじめどころか強弱問わずにもっと言うと多数派にすら構わず攻撃問題をかます
- ルール違反と無礼: ルール違反だって平気でするし、礼儀も知らないし、嘘もつく
- 攻撃問題が服を着ている: そんな攻撃問題が服を着ているようなずんだもん先輩じゃさすがにこっち側にはならないのではないか
■ 40. 差別の主張
- 差別: 僕がずんだをもらえないなんてどう考えても僕が妖精だから差別している
- 攻撃問題の話: これはあくまで攻撃問題の話で妖精かどうかは関係ない
- クソ生物: 人間は弱者を虐げるクソ生物、多様性を認められない差別生物である
- BBCに密告: BBCに密告して大問題にしてやる
- 様子を振りかざすタイプ: 様子を振りかざすタイプの攻撃問題である