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ストーカーや毒親は、なぜ相手に「本当の愛」を与えられないのか。精神科医「彼らが持つ感情は『愛』ではなく…」

要約:

■ 1. 生きづらさと愛の問題

  • 他人の顔色ばかりうかがって自分を後回しにしてしまう、いつも不安でどこか落ち着かないといった生きづらさを抱える人が存在する。
  • 精神科医Tomy先生はこれらのテーマの根幹には愛の問題が必ずあると指摘する。
  • 愛の答えを出せたのなら、全ての悩みを軽くすることができるはずである。
  • 著書『愛の処方箋』では愛に溢れた人生を送る方法がまとめられている。

■ 2. 愛と憎しみの関係性

  • 愛と憎しみは根底が同じものである。
  • 人が愛を求めた瞬間に、心の中に愛のたまごが生まれる。
  • 愛のたまごは愛にも憎しみにもなりうるものである。
  • 愛と憎しみは兄弟のようなものである。

■ 3. 愛もどきの概念

  • 愛のたまごは憎しみに変化するだけではなく、愛に成就しなかった場合、愛に似て異なるものになる。
  • これは時に歪んだ愛などと表現されることもあるが、著者は敢えてそれを愛とは区別し、愛もどきと名付ける。
  • 愛もどきの例として以下の2つが挙げられる:
    • ストーカー: ストーカー自身は相手のことを愛していると考えているかもしれないが、真の愛ではない。ストーカーは相手のことを攻撃し、憎み、場合によっては殺傷する可能性すらあり、相手は恐怖に打ちのめされている。ストーカーはむしろ決して相手の愛を得られない存在である。
    • 毒親: 毒親はおそらく子供に愛を感じているつもりだが、その実態は本来の愛ではない愛もどきである。毒親に育てられた子供は親について複雑な思いを持ち、本来愛の対象であるはずの親が憎しみの対象やただただ不快な存在となる。
  • ストーカーと毒親は非常によく似ており、これらに共通したものを洗い出していくことで愛の本質に近づける可能性がある。

■ 4. ストーカーと毒親の共通点

  • 一方的である:
    • ストーカーはその対象に対して、毒親は子供に対して愛を抱いていると感じている。
    • ストーカーの対象となった人間はストーカーに対して愛は抱かず、子は毒親に対して愛は抱けない。
    • 毒親の場合は愛だと思おうとして苦しむケースもあるが、本来の愛ではない。
    • 本来の愛には相互性があるはずで、愛を与えられたものは相手を愛するようになり、一方的なものではない。
  • 執着が原因である:
    • ストーカーや毒親が相手に本当の愛を与えられない理由は執着が原因である。
    • ストーカーや毒親が相手に対して持つ感情は愛ではなく執着である。

■ 5. 執着の定義と特徴

  • 執着とは一体何か:
    • 執着とは仏教から来ている言葉である。
    • 大辞泉には「一つのことに心をとらわれて、そこから離れられないこと」と書かれている。
    • 例として「金に執着する」「執着心」が挙げられる。
  • ストーカーや毒親の執着:
    • ストーカーや毒親は愛ではなく、相手の存在に囚われている。
    • 相手を愛しているのではなく執着している。
    • 相手の気持ちや意図は無視されている。
    • ストーカーや毒親にとって相手は一人の人間ではなく執着する対象にすぎない。
    • 執着する対象には金や物があり、そういったものと並行するように相手の存在がある。
  • 執着の本質:
    • 執着は端的に言うと失うことを怖れる感情である。
    • 人が何かに執着するとき、最大の興味関心事はいかにして失わないかに向けられる。
    • 失う主体は自分であるため、相手に執着しているときは実は自分のことしか考えていないことになる。

■ 6. 愛と執着の違い

  • 執着が愛にならない理由:
    • 愛は自分のことだけ考えていても愛にはならない。
    • 相手の気持ちや相手にとって最良のことを考えられるようになって愛は成立する。
    • 愛には相互性があり、執着は一方通行である。
    • それゆえストーカーはいつまで経っても相手の愛は得られず、毒親はいつまで経っても子の愛を得られない。

■ 7. 執着する人間の行動パターン

  • 不安と監視:
    • 人が相手に執着するときは、自分が相手を失ったらどうしようという不安が常に心の中にある。
    • それゆえ相手を常に見張っていなければならない。
    • 不安から逃れるために相手に干渉していく。
  • 自己正当化:
    • 執着する側の人間はそれを執着だと認めようとしない。
    • 自分が執着していることを認めると、自分はただのストーカーであり毒親であることを認めなければならない。
    • そんなことを認められるはずもなく、自分を守るためにこれは愛だとうそぶく。
    • 一種の防衛機制が働く。
  • 相手への責任転嫁:
    • 執着している人間はこれは愛だと思うことにしている。
    • そうだとしたら、上手くいかなかったら悪いのは相手である。
    • 自分の愛を受け入れない相手や子供が悪いのである。
  • エスカレーション:
    • 執着する人間は思い通りにいかないと相手に怒りを感じる。
    • 何が何でも自分の思う通りにさせたいと思う。
    • その理由は自分が相手を愛しているからなので、ひたすらエスカレートする。
    • 見張るだけでは飽き足らず、相手を攻撃し、支配しようとする。
    • あくまで悪いのは相手であるため、自分の思い通りにしようとする。
    • 相手を正しい道に引き戻さなければいけないのである。
    • 相手は恐怖を覚え、逃げようとすると、ますますストーカーも毒親も相手を支配しようとする。
    • この構造が続く限り、執着はどんどんひどくなる。

■ 8. 愛もどきと愛の違いのまとめ

  • 愛もどきと愛の違いは大きく2つである:
    • 愛もどきは一方通行であり、愛は相互性がある。
    • 愛もどきは執着であるが、愛は執着ではない。