■ 1. 背景と問題意識
- 部下のやる気をじわじわ薄く削っていくスライサー上司という言葉が巷では誕生している
- 上司の確認効率を考えない雑な依頼をしてくる部下も同様に困りのタネになっている
- 代表という立場なのでメンバーからありとあらゆる確認依頼を受けてきた
- この確認のされ方本当に困るんだよなぁと思ったことが何度もある
- これは確認する側に回らないとわからないものなのかなと少し諦めていた
- 今後もその困る確認をされ続けるのは生産性が下がり過ぎるということでunname社のカルチャーブックに項目を追加した
- 投稿の趣旨:
- 上司の中に常に答えがあるわけではない
- だから必ず正解がある前提で確認を投げてほしくない
- 背景や判断基準の提示がないと何を確認すれば良いかわからない
- 自信度や完成度によってFBのレベル感も変わる
- 重点的に見てほしい箇所はその旨を教えてくれないと困る
- これらは上司の立場になり確認依頼を受けないとなかなかわからない心境や事情である
■ 2. 過不足チェックのお作法
- 過不足チェックとはとある企画や資料の素案を作成した段階で上司目線で何か足りないものや必要のないものを教えてくれというかなり曖昧で最もふわっとしやすい確認依頼となる
- 個人的にはこれが一番厄介でこの依頼が飛んでくると面倒くさいなと思ってしまう
- 過不足チェックの問題点:
- 構造化ができていない(抽象度がバラバラ)
- 項目数の多さ(足りない点が見えづらい)
- パッと見て足りないものを埋めづらい粒度と数が羅列されており確認する側の脳を疲弊させてしまう
- 構造化をして過不足チェックを行うと上司は喜ぶ
- ポイント:
- (1) 抽象度大と抽象度小の間に抽象度中のカテゴリを差し込む:
- 採用施策を抽象度中のカテゴリに分解するとMECEかどうかチェックしやすくなる
- (2) 序列に意味を持たせる:
- カテゴリを時系列順に並べる
- 採用フローを頭にイメージしながらチェックできるので抜け落ちているカテゴリを拾いやすくなる
- (3) カテゴリに当てはまらないものをその他で括る:
- MECEにならないものはその他にカテゴライズする
- そうするとこの施策が異質なものかどうかが明瞭で必要ないものとして削りやすい
■ 3. 品質チェックのお作法
- 品質チェックとは成果物が完成品としてのクオリティが一定水準をクリアしているかどうかを上司に確認することを指す
- つまり素案も含め一回完成を目指して作ったものに対しての確認依頼になる
- これは必ずみんなが行う最もオーソドックスな確認依頼である
- この確認依頼のポイントとしては可能な限り具体的に指示をすること
- 確認と同時に添えられていれば概ね問題ない項目:
- 前提共有:目的と背景
- 判断基準:何をもって合格とするのか
- 完成度:アウトプット物のレベル感や自信度
- 期限:いつまでに確認してほしいか
- 注釈:その他確認時の注意点や特に見てほしい箇所など
- 依頼背景や期限についてはクリアしている人が多い印象なので特に気をつけたいのが判断基準と完成度である
- 経営会議に通るレベルのアクション計画になっているか否かという判断基準を提示する
- 経営会議で通すためにはという上司なりの判断基準が生まれるので確認とフィードバックがしやすくなる
- 完成度を提示していることで確認を依頼された上司はフィードバックの細かさや温度感を調整することができる
- これが100%だと思っているなら全然ダメだけど50%と自覚しているのであればうまくいきそうだなという期待感を上司に抱かさせることもできる
- こういう細かい温度感の共有は上司としてはとてもありがたい
■ 4. 修正項目チェックのお作法
- 修正項目チェックとは上司にもらったフィードバックをもとに再度修正したアウトプットに対する確認になる
- ここで忘れてはならない非常に重要な心得がある
- それは確認を依頼する側の記憶は鮮明だが確認する側は記憶が薄れているということである
- 上司はいろんな部下の仕事を管理したり仕事のチェックをしている
- 部下にとって温度感高く記憶の鮮度が高い仕事でも上司にとっては確認作業の一つなのである
- しかもその確認が1~2週間時間が経った後ではなんとなくしか覚えていない
- そんな二人が前提や目的の確認をすることなくできました確認お願いしますと言われても何をどう確認すれば良いかわからない
- ここは確認を依頼する側のちょっとした気遣いによってかなり確認する側が楽になる
- ポイント:
- (1) 前提整理:
- 修正期間や上司の関与度を考慮しもう一度前提を整理する
- (2) 修正箇所の明示:
- 全部を確認してもらう必要がないので該当箇所をハイライトする
- 前後比較をする
- コメントを入れるなどで配慮する
- (3) 修正の主旨の記載:
- 以前もらったフィードバックをどのように咀嚼しどんな意図を持って修正をしたかを伝える
■ 5. まとめと推奨
- 以上が上司が喜ぶ確認依頼である
- お作法だけでなくこれらの配慮があるだけでどれだけ助かるのかを身をもって知っておくことも同じくらい重要である
- ぜひ逆の立場を経験してみてください
- こういう丸投げの確認依頼って本当に困るんだよなという経験を積めば積むほど確認する側の気持ちや助かるポイントが見えてくるはず
- インターン生の育成や小さなプロジェクトのリーダーや社内イベントの幹事でもなんでもいいので自分が責任のある立場に立つと身をもって体感できる