■ 1. 「なぜ5回」の由来と実態
- なぜなぜ分析の「5回」は、日本の自動車産業における経験則に基づく
- 数十万人規模の生産現場で共通の分析手法を統一するため「5回」と定めた
- 「5回程度掘り下げるとちょうどよい深さに到達できることが多かった」という実績から設定された
- 「なぜ5回でなければならないか」を明確に説明できる根拠は存在しない
- 自動車産業以外の業種・企業に「5回」がそのまま適用できる保証はない
■ 2. 回数より重要な「順番」の考え方
- 問題の原因には近い原因と遠い原因が存在し、複数の要因が絡み合っている
- なぜを繰り返す目的は、近い原因から遠い原因まで段階的に掘り下げること
- 近い原因(行動)のみで分析を終えると再発防止につながらない
- 重要なのは「何回やるか」ではなく「どの順番で掘り下げるか」
■ 3. 正しい「なぜ」の順番
- 最初に提示すべき「なぜ」は、問題に最も近い「行動の原因」から始める
- 順番のパターン:
- 行動の原因: 問題が発生した直前の具体的な行動(例: 宛先の入力を間違えた)
- 個人の原因: 行動を引き起こした個人の要因(例: スキル不足、体調不良、集中力の低下)
- 組織の原因: 個人の要因の背景にある組織的要因(例: 業務量、評価制度、組織風土)
- 外部環境: 組織の外側にある環境要因(例: 景気動向、市場変化)
■ 4. 順番の理解から得られる効果と分析の限界
- 正しい順番のパターンを把握していると、分析が逸脱した際に気づき軌道修正できる
- 行動・個人・組織の各層に対応した対策を講じることで、同じミスの再発を防止できる
- 同一パターンを業務ミスのみならず営業課題や事業全体の問題にも応用できる
- 外部環境まで整理できれば分析として十分な深さに達したと判断できる
- 外部環境のさらに先(例: なぜ景気がよいのか)は分析の範囲を超える