■ 1. 「1兆ドルコーチ」とビル・キャンベル
- 元GoogleのCEOエリック・シュミットが著書「1兆ドルコーチ」でシリコンバレーのレジェンド、ビル・キャンベルのコーチング手法を記述
- ビル・キャンベルはスティーブ・ジョブズのApple再建、GoogleのLarry PageとSergey Brinの成長を支援し、創出した企業価値は1兆ドルを超える
- 本書は「コーチのテクニック集」として読むと期待はずれとなる
- 書かれているのはテクニックではなく人間性の本質であり、「当たり前だが実践は難しい」内容
■ 2. 「コーチャブル」という概念
- ビル・キャンベルはコーチングの前に、相手が「コーチャブル(コーチングを受け入れられる)」かどうかを確認していた
- 「コーチングを受け入れられるか?」という問いに「コーチによりますね」と答えた人物を即座に拒絶した事例が紹介されている
- コーチャブルに必要な資質は正直さと謙虚さであり、「利口ぶるやつ(嘘つきで傲慢な者)」はコーチ不可能と断言していた
- 為末大氏の言葉:
- 「コーチングが機能するかどうかは、コーチよりも本人の謙虚さが影響する」
- 松下幸之助の「素直さ」とコーチャブルは同一の概念
- 「受け入れるなら万物は師となる。受け入れなければコーチすら敵になる」
- 「素直さを阻害する最大の感情は恐れ」
- ウソつきがコーチャブルでない理由:
- 自分の言葉を信じ始め、ウソに合わせて真実を曲げるため
- 心理研究の示す傾向:
- 人は自分の信念に反する事実を突きつけられると、過ちを認めるより事実の解釈を変える
- 間違いを指摘すると「嫌われている」「失礼だ」と解釈される可能性がある
- 結果として、コーチングが機能する人は少ない
■ 3. コーチャブルでない人の特徴
- 行動が変わらず、「時間がない」「権限がない」「わからない」「やりたくない」の「4ない」で話を終える
- 一見謙虚に見えるが実態は傲慢で、経営者・上司・同僚を見下している
- 辛抱強く付き合う・真剣に悩む・「いつか気づく」と期待するいずれの対応も徒労に終わる
■ 4. コーチャブルでない人への対処
- 世界一のコーチも「利口ぶるやつはコーチできない」と断言し、支援対象から外していた
- コーチャブルでない人は自己革新を望んでおらず、現実を見ることも現状変化も本気では望んでいない
- そうした人に現実をつきつけることは迷惑行為であり、「知らない権利」を侵害するエゴである
- 結論: コーチャブルでない人に時間を費やすことをやめ、自分と仲間のために有意義な仕事に注力すべき