■ 1. 上司を人ではなく機関としてみる
- 上司は選べない存在:
- 上司を自分で選ぶことはできない
- 相性の良い上司に恵まれることはほとんどないと考えておくべき
- 相性の悪さがもたらす感情:
- 相性の悪い上司はストレスやネガティブな感情を生む
- その感情を無理に押し殺すことはできない
- ただしその感情に振り回されているようでは参謀は務まらない
- 上司を機関として捉える発想:
- 上司を1人の人間としてではなく、事業目的達成のために組織された会社の一機関として捉える
- 好き嫌いに関係なく、その機関を最大限機能させるようサポートするのが自分の役割だと認識できる
- 結果として自分が遂行すべき仕事に集中できるようになる
- 会社という組織の性質:
- 会社は目的達成のために作為的に作り上げられた集団である
- そこでの行動指針はどこまでも合目的であるべき
- 冷淡な発想ではない理由:
- 上司を人として見ないという考え方は非人間的に感じられるかもしれないが、実際は逆
- 上司という機関を最大限に動かすためには、相手を理解しようと努め、相手の気持ちに寄り添い、自らの言動を律する必要がある
- 温かい心を養わなければ、上司という機関を動かすことは到底不可能
- この温かい心こそが、参謀としての役割を果たすために欠かせない
■ 2. 参謀は自分の言葉で語る
- 参謀の役割の本質:
- 参謀はあくまで意思決定者である上司をサポートする立場
- 提供する情報によって意思決定に影響を及ぼすことはあっても、意思決定の主体は常に上司
- 参謀は上司の意思を実現するために社内外とコミュニケーションを取る役目を担う
- メッセンジャーに陥る危険:
- 上司の意思をただ伝達するだけの「メッセンジャーボーイ」に終始してしまう恐れがある
- それでは参謀としての役割を果たしたことにはならない
- 荒川氏の社長秘書時代の経験:
- 副社長から言われたことを、社長の判断に疑問があるとしてそのまま社長に伝えた
- 社長から、副社長の勘違いをなぜ指摘しなかったのか、ただ伝えるだけでは仕事にならないと一喝された
- 社長と副社長という2人のトップの間でメッセンジャー以上の仕事をするのはかなり気が重い
- しかし参謀は社長の立場に立って相手の心理を確認し、相手に理解不足や勘違いがあれば社長に代わってそれを指摘し、理解を得る必要があると考え直した
- 社長と副社長の板挟みになるのではなく、あくまで社長の立場で相手を説得できなければ参謀としての存在意義がないと考え直した
- 再度副社長に説明し、理解を取り付けることができた
- 自分の言葉で語るために必要なこと:
- 参謀はメッセンジャーボーイではなく、上司の意思を深く理解した上で自分の言葉で社内を説得できなければ周囲は納得しない
- そのためには意思決定者に対して、自身が納得できるまで徹底的に質問することが必要
- あらゆる観点から本当に腹の底から納得できるまで、決定の背景を確認し完全に腹落ちさせる必要がある
- 上司になった際の参謀選びの助言:
- 自分の意思決定をそのまま鵜呑みにせず、腹落ちするまで確認し、徹底的に自分の言葉で語ろうとする人物を参謀にすることを勧めている
■ 3. リーダーの先を行くのが参謀
- 参謀の基本姿勢:
- 先頭に立つリーダーを黒子として支えるのが参謀の役割
- ただしリーダーの後をただついていけばよいわけではない
- 先回りの必要性:
- むしろ逆で、参謀がリーダーより先回りしなければ参謀としての役割を果たせない
- リーダーの進むべき方向を見極め、リーダーが最速で進めるようあらかじめ準備しなければならない
- そのためにはリーダーとの距離を近づける必要がある
- 荒川氏の実践例:
- 社長が多忙で社長室に不在がちで、なかなか顔を合わせる機会がなかった時期があった
- そこで最も心がけたのは朝の挨拶という基本的なこと
- にこやかな挨拶をして腹を立てる人はいないため、毎日続けることで自然と社長との距離が縮まった
- 呼びつけとの違い:
- 社長を呼びつけることも可能だが、それは後追いの受け身な姿勢になり、自ら先に動いた場合と比べて事態が大きく異なってしまう
- 挨拶に行く際には社長に尋ねるべきことを用意しておき、何もなければその日の重要案件を確認するといったコミュニケーションを取る
- これにより社長からその日の重要案件を任されるようになる
- これ自体が先回りとなり、何より信頼につながる
- 朝一番の挨拶は絶大な威力を発揮する
■ 4. トップとビジョンを共有する
- 参謀に求められる「話の合う」相手像:
- 荒川氏が社長時代、判断に迷った際に相談したいと思う相手、つまり参謀は「話の合う」人物だった
- これは性格の相性が良く会話が弾むという意味ではない
- 職業や専門性、経歴が一致しなくても問題はない
- 「話が合う」の真意:
- 荒川氏が至高の工程に置いているビジョンを共有しているか否か、その一点に尽きる
- ビジョンを共有していれば問題意識のレベルが一致し、いきなり議論の核心に触れることができる
- 理想の参謀像:
- 高い視座を持つ人物は、自分や自分が所属する部門の個別的利益を超えて、会社のあるべき姿を実現するために創造的な思考を働かせる
- 社長という役割を担う人間とは異なる立場から、時に荒川氏自身の意見とは異なる見解を示してくれる
- これこそが理想の参謀のあり方
■ 5. まとめ
- 世界は圧倒的に変化が速い時代にある
- このような時代に生き残るためには、全体を俯瞰する視点が欠かせない
- 困難な意思決定に直面するリーダーを冷静な視点でサポートする参謀が不可欠
- トップに信頼される参謀になるためのヒントが著書にはさらに多く紹介されている