■ 1. 本題の位置づけ
- 目的ではなく手段の話:
- 目的と手段のうち、今日扱うのは手段のほう
- 全体のテーマ:
- 自分がコントロールできると思い込んで引き出しを増やすという二つの柱で構成する
■ 2. コントロールできないという思い込み
- 1on1での指摘:
- ダラダラしたミーティングが嫌だと漏らしたところ、直接相手に伝えて変えてもらえばよいと上司に返され納得した
- プロジェクト進捗相談での指摘:
- 先方からメールの返事がなく動けないと相談したところ、別の人から強めに連絡してもらえば進むと同僚に返され納得した
- スケジュール相談での指摘:
- 仕様が複雑なので実装スケジュールを変更したいと相談したところ、仕様自体を変えてもらえないのかと同僚に問われ納得した
- 思い込みの正体:
- 「自分には変えられない」「自分が決めちゃいけない」という思い込みが意外とある
- 定数が変数に変わる:
- 自分から見て定数だったことが、実は工夫すれば変数になる
- いったん思い込む姿勢:
- 実際にどうかは置いておき、あらゆることを自分でコントロールできるといったん思い込んで考えてみる
- それが結果的にひとつ上の視点で考える訓練になる
■ 3. コントロールできる領域の探索
- 入社4日目の例:
- Kyash入社4日目は会社もプロダクトもよくわからなかったが、Android開発はわかるので自分のタスクをコントロールした
- 障害対応の例:
- Mobile開発しかわからずサーバーサイドの調査と対応の役には立たなかったため、ユーザーコミュニケーションまわりを担えそうだと考え手を上げてリードした
- 探索の要点:
- 自分にコントロールできる前提で考え、その領域を見極めて広げていく
■ 4. 前提を疑って広げる具体例
- 他部署が絡むので動かせない:
- 自分で他部署に依頼できればコントロール可能になる
- 締切が厳しすぎる:
- 仕様やリリース計画の見直し、人員の相談を提案すればコントロール可能になる
- 形骸化しているがルールだからやらざるを得ない:
- ルールのオーナーを探して課題を伝え動かせればコントロール可能になる
- 限界の認識:
- もちろん本当にコントロールできないこともあるためむずかしいかもしれない
- それでもそういうスタンスでいったん考えてみることが大事
■ 5. コントロールする側に回るほうが楽
- 慣れるまではしんどい:
- 慣れるまでちょっとしんどいが、のちのち楽になる
- 領域を限定する楽さの落とし穴:
- コントロールできる領域が限定されていると考えることは減るので楽な一方、だんだんしんどくなりがち
- 主導権を握る効用:
- 主導権を自分が握れるように考えるほうが精神的には楽
- 自分のできることも広がり、面白いチャンスが巡ってきやすくなる
- 人生の選択肢:
- 自分のタスクや時間などコントロールできる領域を増やすことで、人生の選択肢も増やしやすくなる実感がある
■ 6. 感情の摩擦という障害
- 直球の依頼が生む摩擦:
- ミーティングがダラダラしているので何とかしてほしいと直接ぶつけると、相手はしぶしぶ応じるだけになる
- 摩擦の影響:
- 感情の摩擦が物事を前に進めるハードルになることがある
■ 7. 引き出しという考え方
- 引き出しの定義:
- 試してうまくいったやり方をストックしたもので、日々使える自分の技のようなもの
- 書籍のように一般化されたものではない
- スキル向上との関係:
- 自分自身のさまざまなスキルを上げていくことは前提とする
- コントロールとの関係:
- コントロールするために自分がリードしエイヤと動かすことも多く、そのために引き出しの数を増やす
- 振り返り方:
- 何個試せて、何個引き出しが増えたかを振り返るとよい
■ 8. 言い回しの引き出し
- 「さっき◯◯さんが言おうとしてたことが気になるんですけど」:
- 声がかぶって引っ込めた相手から意見を引き出す
- 「今日中に誰も手を挙げなければ、自分がやります!」「全然詳しくないので、もっといい人がいたら代わります!」:
- 条件つきで手を挙げて進める
- 「いま時間を取るか、放置すると決めるかどちらかにするのはどうでしょう?」:
- 選択肢を2つに絞って決めさせる
- 反対意見の前に置く「ここはいいと思っていて〜」:
- 場を硬直させずに異論を出す
■ 9. 依頼の引き出し
- 依頼の前提を簡潔に伝える
- 対外的な交渉事には偉い人から話してもらう
- CCに相手の上司を入れてリマインドする
- 重い依頼はテキストではなくクイックミーティングをセットする
- 対面で一度挨拶しておく
- 引き出しが増えた状態:
- 数が増えてくると、この場合はこれを試してみるかという感覚になる
■ 10. 引き出しの増やし方
- うまい人から盗む:
- この人のうまいなと思った人のやり方を、次回同じようなことがあった時に自分が使ってみる
- いつも同僚に感心してブログに残したりすることが多い
- 脳内リベンジマッチ:
- 提案が通らずボコボコになった時などに、歩きながらや風呂に入りながらどうすればよかったかをとにかく考える
- いったん自分の脳内では勝ってスッキリするまでやる
- 自分の振る舞いが他者の引き出しになる:
- 自分の状況の共有は自分の期待値コントロールのひとつで、なんとなく伝えたものだった
- 他のマネージャーからああいう伝え方もあるのかと言われたことがあった
■ 11. 引き出しを増やす負担感
- しんどくはない:
- めんどくさいかもしれないが、しんどくはない
- 失敗も引き出しになる:
- コントロールできる領域を広げようとすると当然うまくいかないことも多い
- もちろん凹むこともあるが、あの伝え方や進め方ではダメだったとわかり、新たに引き出しを試していけたと思えるとちょっと楽
- 数えられる指標:
- 自分の成長実感は正直よくわからないが、試した引き出しの数は振り返って数えられる
- なんか色々やったなと思える
■ 12. まとめ
- 物事をとにかく前に進める:
- 自分の性格とは関係なく、とにかく前に進めるにはどうするかを考える
- あらゆることをコントロールできると考える:
- 前提を疑い、自分がコントロールできる領域を見極め広げていく
- 引き出しを増やして広げる:
- 実際にコントロールするには精進が必要であり、自分の技としての引き出しを増やす