■ 1. 「思考は外注できるが理解は外注できない」という言葉
- 発端となった投稿:
- kache氏が「you can outsource your thinking but you cannot outsource your understanding」と投稿した
- AIとの関わり方を端的に表した言葉
- Andrej Karpathy氏も "blew my mind" と評して引用し、最近よく引用する言葉だと述べた
- 本稿の目的:
- 共感する一方で、思考だけを外注するのは難しいとも感じる
- このテーマについての自分の "思考" を書き出し、"理解" しておきたい
■ 2. 理解は外注できない
- ディレクションに必要な理解:
- 現状のAIとのやりとりには人間が多分に関わっている
- 理解していなければAIをうまくディレクションできない
- 手放せない領域:
- ハーネスをどれだけ整えても、人間が手放せない領域は残る
■ 3. 思考だけの外注の難しさ
- 思考を通じた理解:
- 「思考は外注できる」は感覚的には分かるが、現実には難しい
- 自分の場合、思考の過程で理解することのほうが多い
- 一度自分の脳を通して思考しないと理解できない
- 思考を通じて理解する例:
- 新しい言語を学ぶ時に写経する
- 収益構造を理解するために売上や利益を自分で計算する
- プロダクト開発では、コードを書きながらユーザーや業務を少しずつ理解してきた
- このケースはどう扱うのか、これは本当に正しいのかと考える過程で理解が進んだ
- "理解したフリ" の危険:
- 思考していない状態では、無意識に "理解したフリ" をしてしまい非常に厄介
- 詳しくない領域では懐疑的に見ることすらできない
- その結果、安易に「それでよい」と受け入れてしまいがち
- 思考と理解の関係:
- 程度の差はあれ、人間は思考と理解を単純に切り離せない
- 思考と理解は0か100かではなくグラデーションである
- 本質的な難しさは、外注する割合の見極めにある
■ 4. 人間相手の外注との共通点
- マネジメントにおける外注割合の調整:
- AIに限らず、人間を相手にする場合も同じ構造がある
- 立場が変わるたびに考え方とやり方を変えなければ成果を出せなくなる
- 初めて後輩ができた時
- マネージャーとしてチームを持った時
- 複数チームを束ねるリードを任された時
- 自分で100思考していたところを、80を任せて成果物を見て20の思考で理解する
- 誰もが少しずつ外注割合を調整している
- AIとの違いはスピード:
- AIは処理も成長も速すぎて、人間のアンラーンが追いつかない
- Fableを使いこなすことは、係長や課長を飛ばしていきなり部長や専務の思考バランスを求められるようなもの
- 戸惑うのは当然
■ 5. 思考の外注割合を増やすための適応
- 適応を前提とする姿勢:
- 自分の考え方や仕事の仕方を常に変え続けなければならない
- その一つが思考の外注割合をどう増やすかという課題
- 「思考しないと理解できない」で思考停止してはいけない
- 人間相手のトップマネジメントではできている人もいる
- できる前提で自分自身を適応させていくほうがよい
- 仕組みによる工夫:
- タスクの刻み方とレポーティングや説明の方法を、スキルやルーティンで工夫する
- これにより思考割合を減らしつつ理解の負荷を下げられる
- 地に足をつけた学習:
- 関連書籍の最新本と古典を何冊か読むことは有効
- 資格試験を受けてみることも有効
- AIで全てが加速する中では、こうした学びをしんどく感じるかもしれない
- AIで浮いた時間にまで効率を求めすぎなくてよい
- 汗をかく領域を変えるということ
■ 6. 本稿を書いた過程での気づき
- 思考を通じた理解の実感:
- 「思考だけ外注するのは難しいのでは」という漠然とした状態から、行きつ戻りつ思考を重ねてかなり "理解" できた
- 考える過程では、AIに深掘りしてもらったり自分になかった観点を教えてもらったりした
- 問いかけ:
- 同じ内容を最初にAIから一度に見せられていたら本当に理解できたかを考えてみるのも面白い