1. 女々しいタイプ
ボールを奪ってそのまま帰ってしまう子どものように、女々しいタイプの人物は機嫌を悪くして逃げてしまう。こういうタイプの人物は、腹が立って自分が思い通りにならない状況では、ただ自分がゲームを抜けるだけでは我慢できず、周りの人も巻き込もうとする。この種のゲームでは、誰もが敗者になってしまう。
2. 駄々っ子タイプ
駄々っ子タイプの人物は、いつでも自分の思い通りにしてきている。こういう人物は、成功に向かって努力する必要を感じていない。自分にはほどんど経験がないにも関わらず、昇進しないと自分が不当な扱いを受けていると考える。また、自分よりも上の立場から、どうすべきか指図してくる人間を憎む。駄々っ子に仕事を与えなくてはならない上司は、苦労するはずだ。駄々っ子は自分の思い通りにならないとかんしゃくを起こす。
3. 魔法使いタイプ
魔法使いタイプの人物は、知識があり賢い。このような人物は優秀であり、自分自身もそれを知っている。魔法使いタイプの人物にとって、他人からの入れ知恵は時間の無駄だ。こういう人物の自信過剰は骨の髄まで染みついており、自分が間違っている可能性があるなどとは毛筋ほども疑わない。そんな謙遜は、とうの昔になくしてしまっている。自分がどうやって仕事を達成したかを他人に説明することは、自分の神秘的で魔法使いのようなオーラが破壊されてしまう危険が大きすぎるので、決してない。勘違いによって作られた地位が奪い去られてしまう危険を冒すことなど、許せるはずもない。
4. お荷物タイプ
往々にして、チームのメンバーが全力を発揮しようとしないときがある。ある人が生産的な行動を取らないのには、さまざまな理由があり得る。彼はプライベートで問題を抱えているのかもしれないし、手持ちの仕事に圧倒されてしまっているのかもしれない。あるいは、単に怠けている可能性もある。原因が何であれ、チーム全体の水準が、その人物と同じ水準にまで落ち込んでしまうかもしれない。あるチームメンバーが、ほかのメンバーの尻ぬぐいのために余分に働かなければならない状況では、士気が下がってしまう。
5. 正義の怒り発散タイプ
このタイプの人物は、仕事の上で不当な扱いを受けたか、不当な扱いを受けたと思い込んでいる。そして、それを許したり忘れたりすることができないか、そうする気がない。彼はひどい扱われ方をしたのであり、あらゆる人に自分の苦痛を知ってもらいたいと思う。おそらくこのタイプの人は、働くということは、人生と同じように、必ずしも公平ではないのだということを学ぶ必要がある。結局のところ、不当なことなど起こっていないのかもしれない。
6. 一匹狼タイプ
一匹狼は1人で働くのを好むだけでなく、同僚と考えを共有したり、協力したりすることも避けようとする。自分のコードを国家機密のように考えているプログラマーもいる。このタイプの人物は、自分の成果から他人が恩恵を受けることなど、天が許さないと考えている。
7. アナーキスト(無政府主義者)タイプ
チームが、競合する数多くのアイデアの中から、1つを選択をしなくてはならない場面は多い。決断が下された時、その最終決定に対して気に入らないチームメンバーが複数人出ることもある。そんなとき、アナーキストタイプの人物は、反乱を起こして(たとえそれが非生産的なことだとしても)自分の考えを突き通そうとする。なぜなら、正しいのは彼で、チームのほかのメンバーが間違っているからだ。このタイプの人物は頑固で強情なため、チームの計画を受け入れられず、自分が正しいと証明されるのは時間の問題だと考える。彼の行動がチームに引き起こす摩擦は、彼にとっては問題ではない。
8. 政治家タイプ
通常はマネージャーがこの政治家タイプで、このタイプの人物は、他人はこういうことが聞きたいはずだと自分が思うことを話す。彼はスケジュールより2週間も早くプロジェクトを完了すると約束しても、なんとも思わない。政治家タイプの人物は、ほかのメンバーや会社の幸福よりも、自分の幸福の方を気にかけているため、守れないとわかっている約束でもしてしまう。影響力のある人物に、自分がどれだけ優秀かを話し、他人の成果を横取りしても平気だ。
9. 議論屋タイプ
わざと反対意見を述べる役割をしてくれるメンバーは、グループで考えているときに有益な存在になり得る。問題は、その人が議論屋になってしまい、楽しみのために議論をしてしまっている場合だ。そのような人物は、自分の主張している立場が現実的なものだとは思っていない。役割を演じるのがあまりにもうまく、自分のプライドを傷つけずに後に引く方法がわからないのかもしれない。
10. 腐ったリンゴ
腐ったリンゴタイプの人物は、不快な後ろ向きの態度を取る。The Osmondsの曲には「腐ったリンゴが全部をだめにするなんてことはない」という歌詞もあるが、これは間違いだ。1つの腐ったリンゴが、すべてのリンゴをだめにしてしまうことはある。職場での悪い態度は、インフルエンザと同じくらい感染力が強いし、同じくらい害がある。読者の職場には、腐ったリンゴタイプの人はいるだろうか。これは難しいことだが、自分にワクチン接種をして、後ろ向きになってしまいたいという欲望に逆らい、前向きな態度を維持するべきだ。その意味では、これまで挙げてきた問題のある性格のタイプはすべて、不可避的に同僚の後ろ向きな態度につながる「腐ったリンゴ」だといえる。