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海洋プラスチック汚染、解決の鍵は「イカ」にあり?

ペンシルベニア州立大学の研究チームによると、イカの吸盤に含まれるタンパク質を利用すれば、プラスチックの代替となる素材を作り出せる可能性があるという。

イカは触手などに付いている吸盤を使って獲物をとらえる。この吸盤には「角質環」と呼ばれる歯のようなトゲが付いているが、このトゲの成分のタンパク質は、絹のタンパク質とよく似ており、ここ数年、研究者の注目を集めてきた。

角質環タンパク質は、研究室で遺伝子組み替え細菌を使って生成できることから、イカを使う必要はない。生成には糖分と水、酸素を使った発酵を利用する。

角質環タンパク質でできた素材は弾力性や柔軟性があり、強度も高いという。さらには保温性や自己修復性、電気伝導性も備えており、新しい分野への応用も期待できるとしている。

現時点で合成角質環タンパク質の制作には最低でも1キロ当たり100ドルはかかる。研究チームはこのコストを10分の1にまで引き下げることを目指している。