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無燃料ロケット、電磁波で飛ばす 東大グループ考案

打ち上げではロケットに向け、地上のアンテナから電磁波のビームを照射する。ビームはロケット底部にあるリフレクターと呼ぶ鏡に反射し、焦点付近にエネルギーが集まる。強いエネルギーによって焦点付近の空気が電離してプラズマが発生し、爆発を引き起こす。この衝撃波をリフレクターが受け止め、ロケットの推進力になる。

燃料を積まないため、タンクやエンジンは不要だ。より多くの物資を運べ、簡素な構造で製造コストも下がる。その代わり、ビームを送る基地が必要になる。初期投資として基地を建設し、再使用型ロケットなら打ち上げコストは電気代などに限られる。宇宙に物資を大量輸送する手段になると期待される。

ジャイロトロンは核融合炉とともに技術開発が進む。実用レベルのロケット打ち上げには100メガ(メガは100万)ワット~100ギガ(ギガは10億)ワットの出力が必要とされ、非常に規模が大きい。多数のジャイロトロンを制御し、強力なビームを作る技術も必要だ。

化学ロケットより効率が良くなるとは思えないのが難点か。

とはいえ、莫大な化学物質を第一宇宙速度を発生させるためだけに使い捨てるよりはマシという判断もありうるか?