彼らは、セラミックの球体をアルミニウムの発泡体に埋め込むことで新しい金属の階層構造を作り出しました。この素材には2つの防御機能が備わっています。
1つ目はセラミック球体による力の転化です。
新素材は、外圧に抵抗する硬い表面を持っているというよりも、切削工具がセラミック球体に接したときに振動が発生するようになっています。そしてその振動は切削工具を破壊します。
つまり、電動ドリルやグラインダーなどの切削工具が加えてくる力を工具自身に転化させ、これにより素材が切削されるのを防ぐのです。
2つ目の防御機能は、素材の断片化による摩耗です。
切削工具の力が加わると、どんなに硬い材料であっても素材の断片化を防ぐことは難しいものです。
そのため、研究チームはあえて素材が断片化するようにしました。
素材にアルミニウム発泡体を使用することで、細かい粒子状へと断片化するよう促進。
切削工具によって作られた粒子状物質は、サンドペーパーのような作用を引き起こし、切削工具を摩耗させ機能低下させるのです。
このように、新素材は攻撃を転化したり自身の形を変えたりすることで、逆に攻撃し返して無効化するため、「切削できない素材」と言われているのです。
破壊するには爆破や溶断するしかないという感じだろうか。
ICBM基地のセキュリティドアなどは近い性能を持ってそうだけど。