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いよいよ21年初めに量産へ!村田製作所の全固体電池は何に使われる?

村田製作所は2020年度下期に量産を始める全固体電池について、補聴器などに採用される見通しを明らかにした。ロボット向けなどの位置制御機器や、工場などで環境データを収集するIoT(モノのインターネット)機器などにも採用される予定。同社はさらに容量が現状比20―30%高いタイプの開発を進めていることも明かした。高容量タイプは長時間利用前提のワイヤレスイヤホン向けで21年の早い段階に量産したい考え。

電解質に可燃性液体を使わず、安全で熱に強いなどが特徴の全固体電池は次世代電池として注目され、多くの企業が開発にしのぎを削る。村田は滋賀県の工場で20年度内に、月10万個の量産を始める予定を公表していた。

村田の全固体電池は容量2ミリ―25ミリアンぺア時で、他社開発品より100倍ほど高容量。サイズは縦5ミリ―10ミリメートル、横5ミリ―10ミリメートル、高さ2ミリ―6ミリメートルで表面実装可能な小型サイズ。従来型リチウムイオン電池(LiB)と同じ3・8ボルト動作電圧を実現。ウエアラブル機器や多様な小型デバイスでの活用が見込める。

全固体電池は従来型電池からの大転換となるが、さまざまな顧客から多くの提案があるという。用途も1回の充電で使う時間が短くて済む機器から、長時間の機器までさまざま。このため補聴器やロボット、IoT機器向けで実績を積みつつ、高容量化も進める。現状比20―30%増の容量向上で、長時間動作が求められる機器での採用が広がるという。