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【プレスリリース】物質から生命への進化を可能にしたカギは寄生体との共進化か

生命が生まれる前の時代には、RNA や短いタンパク質などの分子からなる、分子の自己複製システム(例えば RNA ワールドにおける自己複製 RNA など)が存在し、それらが進化することで現在のような多様で複雑な生物界が作り上げられたと想像されています。しかし、これまでの分子の自己複製システムでは進化(注2)がすぐに止まり、生命に近づいていく様子は観察されませんでした。本研究では、独自に開発した RNA の自己複製システムを原始生命体のモデルとして用いて、実験室で約300世代に及ぶ長期の進化実験を行いました。その結果、これまで見られたことのない進化現象を観察することに成功しました。まず、元の RNA(宿主 RNA と呼ぶ)に依存して増える寄生型の RNA(寄生体 RNA と呼ぶ)が RNA の組み換え(注3)により自然発生しました。そしてこの寄生体 RNA と元の宿主 RNA は、互いに対する耐性を次々に獲得していきました。この進化的軍拡競争(注4)と呼ばれる現象の結果、宿主 RNA と寄生体 RNA の双方が止まることなく進化を続け多様な種類へと分化することが発見されました。

これまでウイルスなどの寄生体と宿主生物との共進化は、生物進化における重要な駆動力のひとつだと考えられてきましたが、本研究成果は、その起源が生命誕生前までさかのぼる可能性を示しています。寄生体との共進化が、物質から生命への進化を可能にしたカギだったのではないかと発表者らは考えています。

この進化実験は単一の RNA からスタートしています。初めは 1 種類の RNAだったのが、長い間複製を続けることによって寄生体が生まれ、その寄生体との共進化により多様な種へと進化し、複雑な分子の生態系が生まれることになりました。

つまり、何かの拍子にRNAが合成されれば時間さえあれば勝手に複雑化が始まり、生命が発生するということか

やべぇな