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CO2を資源に、厄介者を再利用 石炭火力削減へ

CCUSは大量に出ると困る温暖化ガスを巧みに利用する。「Carbon dioxide Capture,Utilization and Storage」の略で、工場などから出る温暖化ガスのCO2を回収して活用したり貯留したりする。

実証段階に入っているのは、都市ガスなどに使うメタンを作る技術だ。メタネーションと呼ばれ、炭素に水素を反応させて作る。メタンは都市ガスのパイプラインなど既存のエネルギーインフラを利用できるため、大規模に作れれば利用が大きく広がる可能性がある。日立造船などが開発に力を入れている。

人工光合成も有望視される。太陽光を活用してCO2と水から化学製品を生成する。国内の技術研究組合は20年度に、水槽に光触媒を塗布したパネルを沈めて水素を取り出し、CO2と合成させてプラスチック原料などの化学製品をつくる。

藻類から航空機のエネルギーを作るバイオジェット燃料の技術開発も進んでいる。ユーグレナはCO2を吸収して光合成するミドリムシを使って精製する。すでに路線バスなどへの燃料供給が始まった。既存の化石燃料より大幅にCO2を削減する技術だ。