今回の研究では、銀河団の中を通って地球に届いた光がどのように曲げられているかを、11の巨大銀河団について調べている。その結果、これらの銀河団に含まれる密度の高いダークマターの領域が、標準モデルにもとづいたスーパーコンピューターの予測より10倍以上も多かったと示唆されたのだ。
メネゲッティ氏の研究チームは、なかでも銀河団の中にある小さくて強い重力レンズの効果に着目した。11個の銀河団の地図を作成し、小さくて強い重力レンズを数え上げたところ、予想の10倍以上の数が見つかった。この観測結果は、ダークマターのサブハローがコンピューター・シミュレーションの予測よりはるかに高い密度で銀河団の中に存在することを示唆しており、現在の標準とされるラムダCDMモデルと矛盾していた。