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100年以上も低温下の現象とされた「超伝導」を室温で発生させることに成功

「超伝導」とは特定の金属や化合物を冷却した際、その物質の電気抵抗がゼロになるという現象です。超伝導が発見された1911年以来、超伝導は「低温下で発生するもの」とされ、最高でも摂氏マイナス23度の環境下で発生していました。しかし、アメリカ・ロチェスター大学の研究チームにより、超伝導が室温でも発生することが明らかになりました。

2020年10月14日(水)に発表されたロチェスター大学の物理学者であるランガ・ディアス氏らの研究で、摂氏15度という世界初の室温下における超伝導、「室温超伝導」の実験に成功したことが明らかになっています。

ディアス氏も「低温でない環境下で超伝導を実現するためには、強力な化学結合と軽い原子が必要でした。強力な結合の1つは水素結合であり、最も軽いのは水素です」と語っており、自身の実験にも水素を使用したとしています。しかし、ガスとしての水素は絶縁体であり、超伝導の物質にするためには高圧下で固体化する必要があります。ディアス氏らの研究チームは、水素と炭素、硫黄を合成した「Carbonaceous sulphur hydride(炭素質水素化硫黄)」によって実験を行い、摂氏15度、圧力270GPaの環境下で超伝導状態を実現できることを発見しました。

ついに常温超電導が実現したのか。次は超高圧を如何にして制御するかとかにシフトするのだろうか。