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高密度カーボンナノチューブを14cmに伸ばす、従来は2cmが限界

早稲田大学と静岡大学は、「世界一長尺な高密度カーボンナノチューブ(以下、CNTフォレスト)の成長に成功した」と発表した。早稲田大学理工学術院総合研究所 次席研究員の杉目恒志氏と静岡大学工学部電子物質科学科の井上研究室の共同研究で実現したもの。新たな成長方法の開発により、これまで2cm程度が限度とされていたCNTフォレストの成長を、14cmまで延長できた。

CNTを成長させる方法として一般的な化学気相成長(CVD)法をベースとする新方法を開発した(図1)。すなわち、基板上に触媒を担持し、原料ガスと反応させてCNTフォレストを成長させる。ただし原料ガス中に、有機金属であるフェロセンと、アルミニウム(Al)イソプロポキシドを極微量添加するのが新手法の特徴だ。

フェロセンは鉄(Fe)を、Alイソプロポキシドはアルミニウム(Al)を供給する原料になる。このFeとAlがCNTの成長中に起こるナノ粒子触媒の構造変化を抑える。

CNTってこうな風に育てるんだ