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従来のCPUと比べて80倍高効率な超電導マイクロプロセッサを日本の研究グループが開発

横浜国立大学の研究グループは、特定の金属を非常に低い温度まで冷却すると抵抗がゼロになる超伝導を利用することで、微小なエネルギーで動作可能な低消費エネルギー論理回路「断熱磁束量子パラメトロン(AQFP)回路」を用いて超電導マイクロプロセッサの設計に取り組みました。その結果、AQFP回路を一万基以上搭載した超電導マイクロプロセッサ「Monolithic Adiabatic iNtegration Architecture(MANA)」の開発に成功したと発表しています。

研究チームの一員である横浜国立大学先端科学高等研究院准教授のクリストファー・アヤラ氏によると、一般的な超電導電子機器の動作周波数が数百GHzであるのに対して、MANAは最大約10GHzで動作するとのこと。なお、今回の研究では、MANAは一般的なCPUと同等の2.5GHzで動作しましたが、設計手法や実験方法が改善するにつれて、5~10GHzで動作させられるようになります。

上記の通り、MANAを動作させるためには、約マイナス269℃という非常に低い温度を保つ必要がありますが、冷却に必要なエネルギーを計算に入れても、現在流通している7nmプロセッサと比べて80倍のエネルギー効率で動作するとアヤラ氏は述べています。