今回IFAMが開発を発表した「POWERPASTE」は、比較的安価に入手できる水素貯蔵材料である水素化マグネシウム をベースにしたペーストで、室温・大気圧中で水素を安全に保管することができるとのこと。
「POWERPASTE」は別のタンクから供給される水と反応することで、燃料電池に必要な量の水素を発生させます。この時、エネルギーとして使われる水素の半分は反応用の水から供給されるため、「POWERPASTE」の実質的なエネルギー密度は非常に高いものとなります。IFAMは、「『POWERPASTE』はリチウムイオンバッテリーと比べて10倍のエネルギーを安全に貯蔵できます。また、250度未満の温度では水素を発生しないので、炎天下に車両を長時間放置しても安全です」とエネルギー貯蔵量と安全性の高さをアピールしています。
また、高圧タンクを備えた水素ステーションを運営するには、水素ポンプ1台当たり100万~200万ユーロ(約1億2700万~2億5400万円)の設備投資が必要ですが、「POWERPASTE」は室温・大気圧中で保管できるため、数万ユーロ(数百万円)の設備投資で運営できるとのこと。さらに高圧タンクが必要ないため、比較的安価に輸送することができます。このため、IFAMは水素ステーションの設備が整っていない地域に「POWERPASTE」の供給施設が増えることを期待しています。
しゅごい