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世界初の生体ロボット、「生殖」が可能に 米研究チーム

(CNN) 史上初の生体ロボット「ゼノボット」を作製した米国の研究者らがこのほど、ゼノボットは今や「生殖」が可能だとする論文を発表した。その生殖方法というのは、動植物では見られない異例のものだった。

ゼノボットは名前の由来となったアフリカツメガエル(学名ゼノパス・ラエビス)の幹細胞から形成され、幅は1ミリ以下。実験の結果、動く、群れで協力する、自己修復するといった能力を持つことが判明し、2020年に初公開された。

そして今回、ゼノボットを開発したバーモント大学やタフツ大学、ハーバード大学ビース研究所の研究チームは、科学的に知られているどの動植物とも異なる全く新しい生物学的な生殖形式を発見した。

ゼノボットは当初は球形で、約3000の細胞から作られていた。ボンガード氏らはゼノボットの複製が可能なことを突き止めたが、こうした複製は特定の状況下でまれにしか発生しない。ゼノボットが使った複製プロセスは「キネティック・レプリケーション」と呼ばれ、分子レベルで起きることが知られているものの、細胞全体や生物のレベルで以前に観察されたことはないという。

研究チームは人工知能(AI)の助けを借りて、ゼノボットがこの種の複製をより効果的に行えるよう数十億種類の形状を試した。最終的にスーパーコンピューターが考案したのは、1980年代のビデオゲームに登場する「パックマン」に似たC字形だ。この形であればペトリ皿の中の小さな幹細胞を発見して、口の内側の部分で数百個の細胞を集めることができる。数日後、細胞の集まりが新たなゼノボットになった。