死期を迎えた巨大な恒星が超新星爆発を起こす現象が初めてリアルタイムで観測されたとして、米カリフォルニア大学などの研究者が6日の天文学会誌に研究結果を発表した。
観測を行った赤色巨星は地球から約1億2000万光年離れた銀河「NGC 5731」に位置していた。爆発前の質量は太陽の10倍もあった。
恒星が最後の輝きに包まれる前には激しい爆発が起きたり高温のガスが噴出したりすることもある。しかし今回の現象が観測されるまで、赤色巨星は比較的静かな状態が続いた後に大爆発して超新星になったり、崩壊して高密度の中性子星になったりすると考えられていた。
ところが今回の赤色巨星は研究チームが見守る中で、劇的な自己崩壊を起こしてII型超新星になった。巨大な質量をもつ恒星は、中心核の水素やヘリウムなどを燃焼し尽くして急速に崩壊し、激しい爆発を起こして死を迎える。