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温泉が豊富な日本で地熱発電が盛んでないのはなぜですか?に対するABE Mitsumasaさんの回答

手間がかかりコスパが悪いからです。

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地熱発電って「地底奥深くのマグマに水かけて水蒸気を取り出してタービン回す」みたいなもんです(厳密にはもちろん違いますが)。

  • 水はあらゆるものを溶かします
  • 温度と圧力が上がると水に溶けやすくなり、温度と圧力が下がると水に溶けにくくなります

ということで、マグマに水をかければ高温の水はマグマの主成分ケイ素を溶かします。ケイ素を含んだ水の細かい粒が水蒸気と一緒にタービンに向かいます。管の中で冷えて管にケイ素が析出します。なまじ水の温度と圧力が高いのでケイ素めっちゃ解けてます。

すぐにこうなります。こうなると菅を交換しないといけません。地熱発電所があるエリアは山の中なので交換しに行くのも時間かかりますし、そこまでしても大して発電できません。あまり進まないのは「手間がかかるから」です。しかも定期的に突発の仕事が入るような手間です。

原発も手間はかかりますが、「常に監視する」みたいな手間です。これなら常駐させられます。突発だと交換のたびに契約するか、常駐させて無駄なお金を垂れ流す必要があります。しかも原発ならけた違いに発電できるので常駐費もペイできます。理論上使用済みの核燃料を更に燃料化することが出来、これを実用化すれば世界中が処理に困っている使用済み核燃料をお金貰って引き取って燃料に出来ます(増殖炉だっけ)。残った劣化ウランはタングステンの次に重たい金属なので、軍事用途にも使えます。戦車にぶつけたら鋭く割れて刺さりやすくなりますし、割れた時の破片は燃焼(核ではなく火の方)して延焼効果もあります。劣化ウランというと放射線が心配ですが、本来放射線を出すような成分は燃料として有効なので核兵器や核燃料としてギリギリまで絞り出してるんです。

脱線しましたが、脱炭素については地熱発電は「交換が滅茶苦茶めんどくさい上に金にもならん捨てるのに金が要るシリカスケールという廃棄物を出すわりに発電量が小さい」ので欧州は「脱炭素ならやっぱ原発だよね」となっています。日本は火力発電の効率をかなりあげているので、石炭からも欧州の天然ガス火力並みのCO2排出量で発電する技術があるのですが、論破すべき環境大臣が国際会議で洗脳されて帰ってきちゃってあーあ……日本はSLみたいに石炭燃やしてるんじゃないよ石炭を一旦別の燃料に変換してるんだよ以下略