地球以外の生命を探す科学者たちにとって、火星はますます目が離せない場所になっている。このたび、ゲール・クレーターで活動しているNASAの探査車「キュリオシティ」が、地球であれば生命の証拠とみなされる炭素を含む岩石を発見したという研究結果が発表された。
しかし、研究を率いた米ペンシルベニア州立大学の宇宙生物学者クリストファー・ハウス氏は、結論までにはまだほど遠いとして、この現象について3つの可能性を挙げている。
第1に、本当に古代の微生物に由来する可能性。第2に、大昔に太陽系が特異な炭素同位体比を持つ星間雲の中を通過し、その痕跡を火星に残した可能性。実際に、このような雲が存在することは知られている。そして第3の可能性は、紫外線が火星の二酸化炭素の大気と反応してできたというものだ。
「答えはわかりません。生物学的なものかもしれませんし、そうでないかもしれません。3つの可能性は、すべてデータに当てはまります」とハウス氏は語る。