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東大、鉄系超伝導体における量子液晶の量子臨界点を発見

東京大学(東大)は5月9日、鉄系超伝導体「Fe(Se,Te)」において「量子液晶」の量子臨界点を発見し、これに由来した相互作用が高い超伝導転移温度をもたらすことを実験的に明らかにしたことを発表した。

今回の研究成果について研究チームでは、これまで確立していた磁気的相互作用によるものとは異なる機構で実現していることが考えられるとしており、今後、この仕組みをよりさまざまな実験で精査していくことが、非従来型超伝導体の研究における新たな潮流となることを期待したいとするほか、銅酸化物超伝導体においても量子液晶状態の量子臨界点と高温超伝導の関係が議論されていることから、そのメカニズムの解明や、今後の超伝導物質の開発に向けた指針となることも予想されるとしている。