米航空宇宙局(NASA)は27日、火星に隕石(いんせき)が衝突して大きなクレーターができる様子を、火星探査機でとらえたと発表した。太陽系で形成が記録されたクレーターとしては過去最大だという。
研究者らによると、バン型の車ほどの物体が火星に衝突し、幅150メートルのくぼみを作り出した。破片は35キロメートル先まで飛び散った。
衝突後の観測では、埋もれていた氷の巨大な塊が掘り起こされ、クレーターの縁に投げ出されていることがわかる。火星の赤道にこれほど近い場所で氷が埋まっているのは、これまで確認されていなかった。
これら埋没した氷は、将来の火星への有人ミッションで重要な資源になりうる。NASAの惑星科学部門の責任者ロリ・グレイズ博士は、「水、酸素、水素に変換できる」と話した。