東京大学の塩見淳一郎教授、東京都立産業技術高等専門学校の工藤正樹准教授、東京大学の齋藤継之教授、スウェーデン王立工科大学のLundell Fredrik教授、Söderberg Daniel教授らの研究グループは、紙の100倍以上の高熱伝導性を有する木質バイオマス素材を実現した。
では、この木質バイオマス素材とはどのようなものだろうか。塩見教授らの研究グループによると、木質バイオマスから得られるバイオ系ナノ材料であるCNFを、流体プロセスによって分子スケールで配向させながら酸を用いて固めた糸材が、セルロースナノペーパーなどの高熱伝導性を有する先端木質バイオマスの5倍以上、紙など従来の木質バイオマスの100倍以上の高熱伝導性を示すことを発見したという。ちなみに、CNFとはセルロースナノファイバー(Cellulose Nano Fiber)のことで、主に木などの植物から得られる、数十本のセルロース分子が配列して束になった結晶構造から構成される物質のことだ。