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東北大・名大・京大・東大、スピン流を光で完全に制御する新原理を開拓

【発表のポイント】

●ナノ空間(ナノは10億分の1)の対称性を人工操作した磁性メタマテリアル(注1)を新たに開発

●電子スピン(注2)の流れ(スピン流(注3))を光の偏光(注4)状態により超高速で完全制御する新原理を開拓

●次世代のスピントロニクス(注5)デバイス設計の自由度を飛躍的に向上、超高速光スピントロニクスへの応用に期待

【概要】

近年、電子が持つ小さな磁気の性質(スピン)を積極的に利用するスピントロニクス技術が、低消費電力・高密度なデバイス実現の観点から注目を集めています。スピントロニクス機能の多くは、電流(電荷の流れ)のスピン版であるスピン流(スピンの流れ)によって駆動されるため、スピン流の革新的な生成・制御手法の開拓が求められていました。

今回、東北大学大学院理学研究科の松原正和 准教授らは、ナノ空間の対称性を人工操作した磁性メタマテリアルを新たに開発し、室温かつ超高速で、スピン流の伝搬方向や大きさを光パルス(注6)の偏光状態により完全制御する新原理を開拓しました(図1)。この成果は、次世代のスピントロニクスデバイス設計の自由度を飛躍的に向上させるだけでなく、従来の光科学技術・スピントロニクス技術をナノテクノロジーにより横断的かつ重層的に集積・発展させる超高速光スピントロニクスへの応用が期待されます。

しゅごい