わたしも初めて見ましたが、これまで「事象の地平線」という平面が存在するものと考えられていましたが、この説明によると(静止している)ブラックホールは、玉ねぎのような構造をしており、各層毎にシュワルツシルト半径(中心から各層迄の距離によって決まる)があり、物質は圧縮しながら、各層毎が各シュワルツシルト半径に近づいていくと共に、ホーキング放射を発しながら各層全体が徐々に収縮していくという事のようですね。
https://www.riken.jp/press/2020/20200708_3/index.html
これまでは、ブラックホールの中心は「点」として、体積がないもの(一瞬にして点になるような感じ)なものとして考えられ、そのためシュワルツシルト半径はブラックホールに「ひとつだけ」定まっているようなモデル(そこから「事象の地平線」)として理解されていました。
つまり、事象の地平線(に極近い内と外と)で圧縮による高エネルギーによって素粒子の対生成が起こり、事象の地平線の内側では中心に向かって物質が圧縮されると同時に、事象の地平線の外側に対生成によって生じたものがホーキング放射として観測されるというふうに理解されていました。
新しい発見と旧来のモデルとの違いは、ブラックホールの中心のサイズが「点」であるか、それとも「たまねぎの皮のように、階層構造を持ち、しかも各階層構造毎にシュワルツシルト半径があり、それによってホーキング放射が全ての階層で起きている」という点にあるようです。