初期宇宙に関する仮説など、物理学の多くの研究が「数学を装って科学と称する宗教」であると書かれていますね。それについて詳しく教えていただけますか?
物理学の基礎が宗教に紛れ込んでいる分野がかなりありますが、物理学者は注意を払わないので気が付きません。それは、一般的な科学哲学の教育が不足しているのです。例えば、宇宙の始まりについて最も一般的に受け入れられている話はビッグバンですが、これはある程度、方程式を過去に推定できる最も単純な方法に過ぎません。さらに、指数関数的に膨張するインフレーションを加えたり、ロジャー・ペンローズのようにサイクリック宇宙にすることもできます。しかし、もしかしたらビッグバウンスかも知れないし、膜の衝突で始まったのかも知れません。これらのアイデアはすべて可能であり、私たちの観測結果とも一致します。しかし、私はこれらを非科学的と呼んでいます。つまり、証拠が何もなく、反対もできないような考えです。
神や他の崇高な力が宇宙を創造したと言うのも同じくらい合理的なのでしょうか?
それは難しい質問です。物理学者が扱う理論は本質的に数学的ものであるのに対し、神の仮説は数学的なものではないという意味で、両者には違いがあります。