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素粒子「ミュー粒子」使った暗号化技術開発 東京大学の田中宏幸教授らのグループが発表

宇宙から降ってくる素粒子の一種、「ミュー粒子」を使って、解読が極めて困難な暗号化技術の開発に成功したと東京大学の田中宏幸教授らのグループが発表しました。ミュー粒子は透過力が強く、あらゆる人工の構造物を光速でくぐり抜けて直進します。

COSMOCATと名付けられた暗号化技術は、宇宙から降ってきたミュー粒子の観測時間を「暗号」や「暗号解読」のための情報に利用します。

ミュー粒子が降ってくる時刻は自然現象のため予測不可能で、今回の暗号化技術では、暗号に関する物理的な情報のやりとりも行わないため、「暗号解読は極めて困難」だということです。

「ミュー粒子の検出や時刻を記録するための装置はさほど高価なものではなく、今後、小型化や高速化、量産が実現すれば次世代の近距離通信で活用が期待できる」と田中教授は話しています。

この研究成果はアメリカのオンライン科学雑誌iScienceに掲載されました。

ミュー粒子が降ってきた時刻を乱数のシードにするという話なんだろうか?