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ダークエネルギーの源が「ブラックホール」である可能性を示す最初の糸口が見つかる

宇宙空間に存在するとされる「ダークエネルギー」については、星や銀河の観測から存在が推測されているものの、それが何であり、どこから来るのかは分かっていません。新たな研究により、宇宙の大部分を構成する謎のエネルギーは「ブラックホール」が説明してくれる可能性があることが分かりました。

タルレ氏らは銀河の中心にある超巨大ブラックホールに着目し、観測結果を過去と現在で比較しました。ブラックホールの質量が過去90億年にわたって変化し続けていることは先行研究で明らかになっていましたが、タルレ氏らが変化の過程を調べたことにより、現在のブラックホールは90億年前に比べて7~20倍へと質量を増していたことが判明します。

しかし、比較対象となったブラックホールは周囲の物質を吸収し尽くした後であったため、通常のプロセスでは質量の増加を説明できません。そこでタルレ氏らは、これらのブラックホールに真空のエネルギーが含まれており、宇宙の膨張と「結合」しているため、宇宙が膨張するに従って質量も増加したのではないかとの説を提唱しました。