ケンブリッジ大学とジョンズ・ホプキンス大学の科学者が、世界で初めてキイロショウジョウバエの幼虫(つまりウジ虫)の完全な脳配線図(コネクトーム)を完成させました。
これは、これまでに構築されたあらゆる動物の脳のコネクトームのなかで、最も複雑で入り組んだ構造のものです。ちなみに、研究者らは過去に線虫、カタユウレイボヤの幼生、イソツルヒゲゴカイの脳の完全なコネクトームをマッピングしてきましたが、これらはせいぜい数百のニューロンが数千のシナプスでつながっている程度のものでした。
今回のキイロショウジョウバエの幼虫の脳は、3016個のニューロンが54万8000本のシナプスで接続されているとのこと。昆虫と哺乳類の間にはまだ差があるものの、多くの点で基本的な生態に共通点がある昆虫の脳が完全にマッピングできたことは、科学者たちにとっては非常に大きな出来事と言えそうです。