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ダイヤモンドに匹敵する超硬物質の合成に初成功。超高圧・高温で形成、常温・常圧でも性質を維持

[...]材料の専門家はダイヤモンドに代わる超硬質素材として、窒化炭素と呼ばれる素材を合成しようと研究を積み重ねてきました。

窒化炭素の特性は30年以上前に予測されていますが、合成することは非常に難しく、科学者は長年、試行錯誤を繰り返してきました。しかし、スコットランドのエディンバラ大学とドイツのバイロイト大学、スウェーデンのリンショーピン大学の研究者らによるチームは、この繰り返しを終わらせることに成功しました。

またこれらの化合物は、周囲環境を常温・大気圧状態に戻してもダイヤモンドに近い性質を保っており、それを見た科学者らは嬉しい驚きを覚えたとのことです。「この新しい窒化炭素材料の第一号が発見されたとき、私たちは、研究者たちが過去30年間夢見てきた材料ができたことを信じられませんでした」と論文の筆頭著者であるエディンバラ大学のドミニク・ラニエル博士は述べています。

研究者らはさらにこの物質について調べ、これらがフォトルミネッセンス(蛍光発光。光エネルギーを加えた際に励起された電子が元の状態に戻るときに発光してエネルギーを放出する現象)特性、圧電性特性、および高いエネルギー密度を持ち、わずかな質量でも大きなエネルギーを蓄えられることも発見しました。

「物理的特性を調べたところ、これらの材料は、超非圧縮性で超硬質であり、高いエネルギー密度、圧電特性、フォトルミネッセンス特性も有していることがわかりました」 「この新しい炭素窒化物は100GPa以上で生成され、しかも大気圧・常温の条件下で回収可能なので、高圧材料の中でもユニークなものと言えます」と研究者ら報告しています。

まだ実験的にごく少量の合成に成功した段階ではあるものの、このダイヤモンドに次ぐ硬さを持つ素材について、専門家は将来的に自動車や宇宙船の保護コーティング、高耐久性の切削工具、ソーラーパネル、光検出器などの産業目的で使用される多機能材料として将来性があると指摘しています。