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大気中のCO2回収…合成燃料の原料になるか、ENEOSが実用化へ

ENEOSは大気中の二酸化炭素(CO2)を回収する技術の実証試験を始めた。再生可能エネルギー由来の水素とCO2を使って製造する「合成燃料」の実用化に向けて、安価で大量の原料CO2を調達するのが目的。今後1年程度をかけて、合成燃料の原料として使える品質・コストかどうかを検証する。(根本英幸)

合成燃料は水素とCO2、それに触媒を用いた合成反応により粗油を精製し、そこから石油化学製品の原料となるナフサやガソリン、ジェット燃料、軽油などに変換する。既存の自動車や航空機、さらにはインフラ設備をそのまま活用でき、低コストに脱炭素化できる点が強みだ。液体燃料であるため、長期備蓄や輸送が簡単というメリットもある。

CO2の回収は送風機を用いてコレクターに大気を吸い込み、フィルターにCO2を吸着。コレクター内の空気を抜いて約100度Cに加熱し、吸着したCO2を放出・回収する。その後コレクター内を常温に冷却して、再度作業を繰り返す仕組みだ。1日当たり約75キログラムのCO2を回収する。

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