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実験室で「ブラックホール爆弾」の実証に成功 50年来の理論を実現 英国チームが発表

英サウサンプトン大学と英グラスゴー大学などに所属する研究者らが発表した論文「Creation of a black hole bomb instability in an electromagnetic system」は、「ブラックホール爆弾」(Black Hole Bomb)として知られる物理現象を初めて実験室で実証することに成功した研究報告だ。

今回の実験は、1971年に物理学者のヤコフ・ゼルドビッチが理論的に予測した現象を約50年の時を経て実証したもの。ゼルドビッチの理論とは、普通、物体に光や電磁波を当てると吸収してしまうものだが、その物体が十分速く回転していると吸収されずに逆に電磁波を増幅して送り返すことができるという現象だ。これは回転するブラックホールからエネルギーを取り出せるという「ペンローズ過程」の理論に基づいている。