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核融合は本当に安くなるのか? 楽観論に「待った」をかける新研究

要約:

■ 1. 核融合発電のコスト問題

  • 核融合発電は将来的に安定した排出ゼロの電力源となり得るが実用化には課題が残る
  • 新研究によれば実用化が実現したとしても発電コストは安価にならない可能性が高い
  • 官民合わせて数十億ドルの資金が投入されており将来のエネルギーコストの前提を検討する意義がある

■ 2. 経験率(Experience Rate)の概念と比較

  • 経験率とは導入容量が2倍になるごとにコストが何%低下するかを示す指標
  • 数値が高いほど価格下落が速く規模拡大による経済効果が大きい
  • 主要エネルギー技術の経験率比較:
    • 陸上風力発電: 12%
    • リチウムイオン電池: 20%
    • 太陽光モジュール: 23%
    • 核分裂: 2%

■ 3. 核融合の経験率に関する研究

  • 学術誌『ネイチャー・エナジー』掲載の研究が核融合の経験率を推定
  • 研究対象は磁気閉じ込め方式とレーザー慣性閉じ込め方式の2種類に限定
  • 経験率と相関する3つの主要特性を検討:
    • ユニット・サイズ: 核融合発電所は比較的大型になる可能性が高い
    • 設計の複雑さ: 専門家のほぼ全員が「非常に複雑」と評価し一部は評価スケールの上限を超えると回答
    • カスタマイズの必要性: 核分裂より少ないが太陽光発電より多いと見込まれる

■ 4. 研究結果と示唆

  • 核融合の経験率の推定値は2%〜8%の範囲
  • 核分裂よりは速いコスト低下が見込まれるが一般的なエネルギー技術と比較して劇的ではない
  • 多くのモデル研究が前提とする8%〜20%よりも大幅に低い値
  • 建設コストの大幅削減には大規模普及が必要であり長期にわたり発電コストが高止まりする可能性がある
  • 研究著者は公的資金の使途としての核融合投資の妥当性に疑問を呈している:
    • 米国は2024年度に10億ドル超を核融合に投入
    • 民間資金調達額は2024年7月〜2025年7月の間に22億ドルに達した

■ 5. 反論と不確実性

  • 過去の傾向から将来価格を推定する手法は誤解を招く可能性があるとの指摘がある
  • 2000年時点での太陽光発電コスト予測は外挿に基づいており中国の参入等で実態と大きく乖離した
  • 価格低下の速度は規制・地政学的要因・人件費など複数の変数に左右される
  • 実際に建設していない段階では正確な予測は困難であると専門家は認める