■ 1. 環境保護主義のパラダイム転換
- 従来の環境保護主義は人間を自然の破壊者と見なす傾向があった
- 21世紀に入り主流の自然保護論は人間が善の力となり得ることを認識するようになった
- 先住民の野焼き慣行の活用や農地が生物多様性の場となり得るという認識が広まっている
- 都市部でハヤブサが繁栄するなど人間の活動が野生生物にプラスに働く事例も存在する
- 自然保護は保護区域から人々を締め出すことではなく自然の一部としてより上手に関わることが重要
■ 2. 新たな環境指標の必要性と開発
- 既存の環境指標(CO2濃度・絶滅率・プラネタリー・バウンダリー等)は主に恐怖を通じて関心を喚起するものである
- オックスフォードでの会議において希望と夢を与える指標の開発が試みられた
- 20人ほどの科学者・著者・哲学者が参加した
- 各国の人々と地球上の他の生物との共生の度合いを定量化することは困難であった
- 農地利用や衛星画像による緑地アクセス等の指標は旧来の対立的アプローチに近いと判断された
■ 3. 自然関係指数(NRI)の概要
- オックスフォード会議で3つの基本的な評価軸が定められた
- 評価軸の内容:
- 自然が繁栄し人々がアクセス可能か(人間と周囲の世界との関わりの可能性)
- 自然は注意深く使用されているか(持続可能な収穫から循環型経済まで含む)
- 自然は保護されているか
- 3つの測定値を組み合わせた総合スコアとして人間と自然の関係の質を示す
- 2025年にネイチャー誌に発表され緑地のリモートセンシングと農業フットプリント計算が採用された
■ 4. 国連人間開発報告書との連携と目的
- 作業は国連の人間開発報告書室に引き継がれた
- 2026年後半に2026年版人間開発報告書とともに自然関係指数が発表される予定
- 主執筆者ペドロ・コンセイサンは指数が各国の環境プログラムの見方を変えることを期待している
- 自然関係指数の目的:
- 「人間は本質的に自然の破壊者」という観念に挑戦すること
- 制約・限界・境界に基づく物語から脱却し分極化を避けること
- 緑豊かで豊かな世界への願望を示す指標として機能すること
- 各国が良いスコアを競い改善を促すランキングとして機能すること
- 指数は上限を設けず人間と自然の関係が向上するほど数値が上昇する設計