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マイクロ炉『マーク・ゼロ』臨界達成【アンタレス・ニュークリア】

要約:

■ 1. マイクロマーク0のゼロ出力臨界達成

  • アメリカの原子力ベンチャー企業アンタレスニュークリアが、マイクロ原子炉「マーク0」でゼロ出力臨界を達成したと発表
  • ゼロ出力臨界とは、炉外への熱取り出しや発電を行わず、核分裂の連鎖反応が持続する状態を維持できることを確認する段階
  • 日本では三菱重工もマイクロ原子炉の構想を発表している

■ 2. マイクロ原子炉の特徴

  • マイクロは下半型の持ち運び可能な小型原子炉であり、一般的な原子力発電所で普及している水冷式を小型化したものではない
  • 冷却剤:
    • 液体ナトリウムを使用(水は不使用)
    • ナトリウムを封入したヒートパイプによる自動熱輸送により、稼働部品を持たないため故障率が低く信頼性が高い
  • 発電方式:
    • 窒素ブレイトンサイクルを採用
    • コンプレッサーで窒素を圧縮し、外部から加熱して高温高圧状態にした後、タービンを回転させて動力を取り出す
  • 冷却方式:
    • パソコンの電動ファンを利用した強制空冷方式
    • 通常の原子力発電所のように外部の冷却水を必要とせず、基本的にどこにでも持ち込んで電力を供給できる

■ 3. アンタレスニュークリアの企業概要

  • 2023年設立の非常に新しい企業
  • 既存のプラントメーカーとは資本的な関係を持たない独立系の原子力ベンチャー企業
  • CEO(ブランブル氏)は「着工から臨界状態に至るまで12ヶ月足らずで原子炉を完成させた」と発表
  • 2026年1月に予備的文書化安全解析がエネルギー省に承認された後、約3ヶ月という短期間で臨界運転を実現

■ 4. 規制・開発環境

  • マーク0はアメリカエネルギー省の先進炉パイロットプログラムに基づいて開発
  • アイダホ国立研究所の敷地内での建設を条件として、実際の核燃料を使用した臨界実験が認められている
  • 熱交換システムおよび発電システムの開発は、アンタレスニュークリアが所有するカリフォルニア州の拠点で進められている

■ 5. 国防との関連性

  • アンタレスニュークリアは国防総省との関係が深いとされている
  • 2026年にはアメリカ空軍においても基地設置用マイクロ原子炉の開発メーカーの一つとして選定されている

■ 6. 今後の開発ロードマップ

  • 商用マイクロ「R1」の電気出力目標: 100KW〜1000KW
  • 2027年には発電システムを統合したマーク1の運転を予定しており、原子力による実際の発電が実施される見込み

■ 7. トリソ燃料の特性

  • 燃料としてトリソ(TRISO)燃料粒子を使用
  • トリソは「30被覆」を意味し、ウランをセラミックなどで被覆加工した直径1mm以下の砂粒状の粒子
  • 利点:
    • 核分裂による生成物が燃料の外に出ないため、使用済み燃料の処理が容易
    • 冷却機能喪失かつ核分裂反応停止不能の暴走状態に陥ってもメルトダウンしないよう融点を非常に高く設定
    • 敵対勢力に奪われた場合でも加工が難しく、簡単には悪用できない

■ 8. マイクロ原子炉市場の全体像

  • マイクロ原子炉の開発には多くの企業が取り組んでおり、大きな分類としてコンテナサイズに収めるかどうかという方向性の違いがある
  • 輸送・展開しやすいコンテナサイズへの収納にこだわるメーカーもある一方、アンタレスニュークリアはコンテナサイズにこだわらない方針を採っている

■ 9. 歴史的位置付け

  • 民間企業による非水冷炉の臨界達成としては、1974年に臨界に達したフォートセントブレイン原子力発電所以来52年ぶりの出来事
  • フォートセントブレイン原子力発電所は運転コストが高すぎたことからすでに廃止されている