■ 1. ブロッサムエナジーの新技術発表
- 発表内容:
- 日本のベンチャー企業ブロッサムエナジーが、燃料集合体の開閉で原子炉を制御する技術を開発したと発表
- ブロッサムエナジーの設立:
- 日本原子力研究開発機構で高温ガス炉の研究開発に取り組んでいた浜本氏が中心となり、2022年に設立
■ 2. 従来の原子炉制御との違い
- 制御棒による制御:
- 一般的な原子炉は、内部に制御棒を出し入れして核分裂反応を制御する
- 世界初の原子炉であるシカゴ・パイル1号も手動式の制御棒を使用していた
- 常識に反する提案:
- 原子炉と制御棒の組み合わせは伝統的な手法
- 今回の技術は制御棒を使わない新しい制御方法を提案している
- 前例のない制御手法:
- 燃料集合体の形状そのものを変える制御手法はこれまで存在しなかった
■ 3. 燃料集合体を用いた制御の仕組み
- 一般的な燃料集合体の構造:
- 燃料ペレットを燃料被覆管で覆った燃料棒を複数束ねた構造
- 燃料集合体の分割:
- 燃料集合体を8個の部品に分割する
- 分割した部品を歯車状に組み合わせ、連動させる仕組みを考案している
- 3Dプリンターによる模型:
- 実際に動作する模型を3Dプリンターで製作している
- 模型はルービックキューブのように手で動かせる
- 実際の原子炉での駆動方法はプレスリリースで言及されていない
- 臨界制御の原理:
- 燃料同士の距離や形状が変わることで、中性子の減速度や漏れ方が変化する
- これにより制御棒なしで未臨界から臨界まで制御できる
■ 4. 特許出願と学会発表
- 特許の仮出願:
- アメリカの特許商標庁に特許の仮出願を行っている
- 仮出願から1年以内なら、出願日を維持したまま本出願に移行できる
- 学会での発表予定:
- 2026年11月開催のアメリカ原子力学会冬期大会で研究成果を発表する予定
- 詳細はこの学会で明らかになる見込み
■ 5. デーモン・コアとの比較と危険性
- デーモン・コアの仕組み:
- プルトニウムの塊の周囲を反射体で覆ったもの
- 閉じた状態にすると臨界量を超えて核分裂反応が継続する
- 動作の違い:
- デーモン・コアに似た印象があるが、今回の燃料集合体は開いた状態で臨界となり、逆の動きとなる
- 固着時の危険性:
- 開いた状態で固まり動かなくなると、デーモン・コアと同じような状態になる
- 蹴り飛ばしてバラバラにすることも難しく、デーモン・コアより危険かもしれない
- ウランを使って実験する場合は注意が必要
- 臨界事故リスクへの印象:
- 現時点の公開内容を見る限り、従来の制御棒方式より臨界事故の危険性は高まりそう
■ 6. 宇宙用原子炉への適性
- 想定用途:
- 月面など地球以外で使用する宇宙用原子炉に適するとされる
- 小型軽量化:
- 制御棒が不要なため、小型軽量の原子炉を実現できる
- 打ち上げコストの節約という観点で優れている
■ 7. ブロッサムエナジーの過去の構想
- クラスタ型高温ガス炉:
- 元々は小型の高温ガス炉を複数基設置する構想を提案していた
- こちらは制御棒を備えている
- 投資家の注目はあまり集められなかった
- 高温ガス炉の特徴:
- 炉の主な構成材に黒鉛を中心としたセラミック材料を使用する
- 冷却材にはヘリウムガスを使用する
- 水炉より高い熱を発生でき、水素製造などへの応用が期待される
■ 8. 本社移転
- 頻繁な引っ越し:
- 創業以来、割と頻繁に本社を移転している
- 以前は六本木ヒルズに本社を置いていた
- 現在の本社:
- 浅草駅から徒歩10分程度のビルに移転している
- 物件サイトに貸しビルとして掲載されており、1棟で月額賃料は35万2000円
- 建物1つを借り切っており、原子炉の開発も進みそう
■ 9. 事業構成とミッション
- 二本柱の事業:
- 熱エネルギーを生み出す原子力事業
- 熱エネルギーを貯める蓄熱事業
- 蓄熱事業の進展:
- どちらかといえば蓄熱事業の方が進展している
- 蓄熱設備ブロッサムエナジーG-TESで電気料金を10%以上低減できることを実証したと発表
- 高温ガス炉の構成材である黒鉛を蓄熱材として利用している
- ミッション:
- 世界中のスチームをグリーン化し、熱エネルギーの脱炭素化を目指す
- 温室効果ガスの排出量10%削減を掲げる