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キラキラ起業とは「日常生活で満たされない承認欲求を満たすビジネス」のこと。

結果として、「ハンドメイド作家として成功した者は一人も居らず、ほとんどはハンドメイドをやめており、残った一部の人はキラキラ起業コンサルになって、細々と活動を続けている」らしい。

この話を聞いて、多くの人は「意味のないセミナーに通う情弱」「搾取されているのに気づかない信者」と鼻で笑うだろう。

でもね、思うんですよ。

この界隈が売っている・買っているのは「ビジネスノウハウ」や「起業による社会的成功」なんかではなく、単純に「社会に関わった実感」と「やってる感」だということに。

でもね、数々のブログサロンに入って思ったわけですよ。

彼・彼女たちが売っているのは、ビジネスノウハウではなく、「参加できる社会」と「やってる感」なんだと。

「キラキラ起業」っぽい本を何冊か読んでみたところ、「お母さん・奥さんとしか呼ばれず、社会から取り残されるような焦り」だとか、「友だちが結婚しているなか自分は独身、この先ひとりでやっていける不安」、「出産後社会復帰したいけど高卒でパソコンも使えず門前払い」のようなプロローグではじまるのが定番のようだった。

そして、「そんなわたしでも起業できました!」と続くのだ。

「こうしましょうね」と言われ、そのとおりにしたら、まわりが褒めてくれる。

うまくいかなくても、「チャレンジすることが大事」と励ましてもらえる。

「このイベントに参加して」「これを作って」「これをシェアして」とお願いされるので、そのとおりにすれば、行動したという充実感を味わえる。

そこには、「客からクレームが来てるぞ」「もっと早く資料を作れ」と言ってくる上司もいないし、「大学は辞めないほうがいい」「やるならまず資格を取るべき」と正論で水を差してくるツマラナイ人もいない。

でも「なにかしたい」「認められたい」という欲求を持て余している人にとって、専門性や技術がなくても受け入れてくれる「仲良し社会」という居場所、そしてすぐにできるレベルの宿題を与えてくれる「やってる感」は、心地いいのだ。

サロンビジネスは新興宗教の一種である