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暗黒メモ「善性のバランスシート」

いまSNS上で「萌え」や「エロ」系のコンテンツに対して激しい批判を寄せている「ただしい」人が、数年前にはそういったコンテンツを愛好してやまない人物だった――という、まさしく「矛盾」としか言いようがない異様な光景に人びとは困惑し、ときに戦慄を覚えている。「自分を棚に上げている」「言行不一致である」といった印象を通り越して、あまりにも自分を省みない言動は、人びとにある種の不気味さすら感じさせているようだ。

[...]「償い」である。かれらは、なにか政治的・社会的な立場をもとに「萌え」批判とか「萌えオタク」に対する論戦を挑んでいるのではなくて、贖罪をしている最中なのである。あくまでその償いの表現が「批判」や「糾弾」といった体裁をともなっている、ただそれだけのことであって。

かれらは、自分の性欲が「ただしくない」と感じながら、それを長年にわたって楽しんできてことによって、自分のなかにあるいわば「善性の収支」のような心のバランスシートが大幅にマイナスに傾いてしまっている。そのマイナス収支をどうにか帳消しにしようという試みが「萌え批判」「エロ批判」といった形式で実践されているということだ。これは私が霊感で言っているわけではなく、慈善団体や人権団体のメンバーがたびたび性的搾取事件や暴力事件を起こしてしまうその心理学的背景を考察するため、実際に提唱されている。