今まで私たちはさんざん女性を性的に搾取するような絵を書くなと声を大にして言ってきた。
それでもあなたたちは関係ないとばかりに猥褻な絵を書き続けてきた。
女性が苦しんでいるにも関わらず表現の自由と言い張ってきた。
でもこうやって自分たちが搾取される側になって初めて痛みが分かるようになる。
女子高生の身体を卑猥に描写するイラストが出た時、私たちは「女性の尊厳を踏みにじる」非難した。
あなたたちは「これは架空の女子高生を描いただけ。お前と関係ないのになぜ怒る」と反論した。
でも今、あなたたちは”自分たちの絵を真似た絵”に対して憤りを覚えている。
苦労して培った技能を真似され、自分の特徴を持った存在が身勝手に表現をすることに恐怖をしている。
女子高生を描くとき、あなたたちは何を真似て絵を描いているのだろうか。
もちろん”実在の女子高生”を真似ているのだ。
「いや、架空の女子高生だから架空の女子高生の絵しか参考にしていない」というならば、
それは他人の絵のみを吸収して学習したAIと同程度の人間か、実在の女子高生の影響を自覚していない人だろう。
つまりあなたたちは女子高生の特徴を性的欲求を煽る形で表現をした。これを冒涜とよばずして何という。
私たちが「性的被害にあっている女性もたくさんいる。そういう事件を煽るような絵を描かないでほしい」といった時、
あなたたちは「それは一部の男が卑劣なだけであって、絵は悪くない」と反論した。
でも今、AIが作成した絵をトレパクして掲載する人にあなたたちは恐れている。
私たちも怖かった。同じ気持ち。
トレパクをする人は一部の悪い人で、大多数の人はAIの規約通りに使うだろう。
AIがあっても無くてもトレパクをする人はいる。
でも怖いのだ。はっきりと、トレパクを促すような道具が目の前に提示されると、怖い。
たとえAIの作者にそんな意図がなくたって、それができるなら恐ろしい。
自分自身のアイデンティティを奪われて、自分はトレパク魔の快感のための道具にされ、努力もプライドも踏みにじられる。
私たちも何度も男たちに奪われてきたから、痛いほど気持ちが分かる。
私たちが「不快感を催させるようなイラストを展示すべきではない」と言った時、
あなたたちは「表現の自由によって保障されている権利で、お気持ちで阻害するものではない」と返した。
著作権法改正新30条の4では情報解析のためのデータの収集、利用は認められている。
mimicの規約では禁じられているが、法律上は””たとえ無許可でも””イラストを収集し、情報解析することは認められている。
また画風にはそもそも著作権はない。イラストそのものには著作権があっても、画風を真似たイラストには著作権ない。
でも、やっぱり不快だった。だからどうしてもAIを封じたかった。
法律でも認められなくてもイラストの利用を禁止したかった。
わかる。私も憲法だと言われて気持ちを無視された時、腹立だしくて悲しかった。
立場が違えば人は理解し合えないけれど、こうして私たちは理解し合うことができた。
AIが生まれてしまったことは悲劇だったかもしれないけれど、世の中が良くなる方へ向かっていると思う。
せっかくだから、これをきっかけに女の子の絵ばかり描くのはやめて、AIが真似できないような高尚な絵を描いたらいい。
そうすれば私たちも、あなたたちも、お互い幸せになれるはずだから。
意味不明である