ローマ教皇は困った人ですね。生殖は人間の義務ではありません。個人が幸福に生きることこそ何より大切で、その結果、人類が滅びたとしても、それはいかにも人間らしい滅び方で、いいことだと思います。地球上の生物はすべて必ずいつかは滅びます、ヒトも例外ではありません。問題は滅び方です。
ローマ教皇が「犬を飼うな」というのは分かる。子どもを育てる代わりに犬を飼うのは、「養育する」という点では同じでも、前者は共同体の存続に結びついている一方で後者は「自分のいちどきりの人生をすばらしいものにするために」というだけのことなんだよな。
これが噂の滅びの哲学者か。
とはいえ、功利主義の観点から見ると否定できないことではある。
しかし、そのような考え方は社会や共同体、将来の若者にフリーライドするということでもあるので、そのような生き方をするなら相応の負担はしてもらうという発想を呼びかねない。
つまり、独身税というような。