ない。これはもうはっきりと「ない」と言えてしまう。
二十歳の女を保護するシェルターはあるけれど、二十歳の男を保護するシェルターは無いんだよな。以前親との関係が悪く、家出したはいいものの行き場がなく、雀荘で買った金でネカフェや友人宅で寝泊まりしてる大学生と出会い、行政の支援を受けさせようと方々に電話をかけまくった記憶がある。
マガジンで書くかどうか悩むが、実体験としていえば「ない」どころの騒ぎではなく「保護を邪魔される」というのがある。
「行き場のない男の子」は、存在そのものがNIMBYになっている。
文章で書くとマジで意味が分からないと思うが、男の子の保護活動に対してはそもそも「苦情」が来るわけ。
別に迷惑行為をしたとかそういうことじゃなく、行き場のない男の子の保護活動をしているというただそれだけで「何をしでかすかわからない潜在的犯罪者をかこっている」みたいな想像をされてしまうことすらある。
で、行き場のない男の子を拾ってパシリにするのが反社だったりするので、周囲から最初に向けられていた「潜在的犯罪者に違いない」という偏見があとから本当に成就してしまう。
周囲の偏見に満ちたまなざしや干渉が、本当にその偏見が描いたどおりの姿にあとから人間を変えてしまうというのをリアルで目の当たりにした。
今日のマガジンですが、急遽予定を変更して「行き場を失った少年たち」というタイトルの暗黒メモをお届けすることにしました。