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はびこる「フェミニズムはおばさんの若い女性への嫉妬」という誤り

あちこちで見かける「フェミニズムはおばさんの若い女性への嫉妬」という言説。

いろんな人が何度も「それは違うよ」「誤解だよ」と繰り返し説明していても消えないので、きっとアンチフェミにとっては「そう思うのが気持ちいい」んだろうなあ、と思うけど、やっぱり間違っていると思うのでここでもう一度否定しておく。

■若い女性もフェミニストになる

当たり前だが、フェミニズムの考え方に触れ、自分のものとして取り込む年齢は様々だ。

子供のうちから性差別についての情報に触れていれば、人によっては相当若いうちからフェミニズムに共感するようになる。

医学部入試の点数操作問題などは、これから大学入試を受ける世代の子たちにもずいぶん影響を与えたのではないだろうか。

■若いときに言えなかったことが、おばさんになって言えるようになることもある

時代の変遷による常識の変化、ということもあるが。

若いときには見えていなかったことが見えるようになったり、知らなかったことを知ることもある。

社会に出て、いろいろな経験を積むことによって、自信のなかった若者が図太さ、たくましさを身に着けていくというのは性別問わずあることだと思う。

■おばさんは若い女性に嫉妬ではなく同情や心配や応援をしている

「嫉妬している」と思われるのって意味がわからない。まるでそんなことないから。

というか、そう思うのって、「性的に欲求される」ことが価値のあることだと思っているからだよね。

「自分が好きな相手」以外の人から性的な欲求を向けられるのって、多くの女性にとっては不快だったり恐怖でしかないんだけどな。

性別が女であることによって不快な思いをした経験のある女性は、そりゃもうたくさんいる。

生涯賃金の差だったり、家事労働時間の差だったりという統計で出てくるような差は厳然として残り続けている。

電車に乗っているだけで痴漢被害にあう女性も多く、夜道を歩くにも一人暮らしをするにも性被害にあわないように用心しなければならない。

昔よりはよくなってきていることもたくさんあると思う。

でも、昨今女性専用車両を女尊男卑だと言ったり、性的に強調された女性の表現を全年齢のメディアや公的な場で使用したり、ということも続いている。

フェミニズムは、自分のためでもあり、自分よりも若い女性のためでもある。

過去の女性たちが奮闘してきてくれた結果、今の私たちには選挙権もあるし、就職時に不利な取り扱いをすることも禁じられた。

でも。「すでに男女平等は達成された」なんて思うのは、幻想でしかない。だから、よりよい未来のために発言し続ける。

まぁ、原動力は男性憎悪であって、若い女への嫉妬は的外れというのはありそう。

一方で、「歳を取った私だからこそ若い女性へ助言できる」みたいなのは典型的な家父長制的な発想なので、歳を取ってオッサン化しだけじゃないのかと。

更に「私の若い頃」なんてのは10年違えば環境も全然違うので、単純に経験で語れるものでもない。

何より、フェミニストが語る「より良い未来」があまりにもステレオタイプな性差別、過剰な保護思想、異なる意見に対する思想統制主義なのも問題。

要は「頭の悪いPTAおばさん」になっているので、社会的にはむしろ有害なのが大きな問題なのであるな。